ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

深夜のカミングアウト<5>

そもそも村上君のどういうところが好きになったかというと、ボクが同性を好きになるパターンとして、自分に持っていないもの(性格や生き方など内面的なもの)を持っている人に対する憧れから始まって、徐々に恋愛感情は高まっていくという点があるけど、村…

深夜のカミングアウト<4>

地方のある会社にシステム導入をするため、ボクは一ヶ月近く出張することになった。客先に常駐して、客と打ち合わせをしたり、納品してから発生した障害対応や要望対応などしたり、それに操作教育や、導入した客から呼び出されて、操作説明をしたりしていた…

深夜のカミングアウト<3>

ボクは同じ部署に配属されていた同期の村上君と一緒に新人教育にあたることになった。これは新人にとっては飴と鞭のようなものだ。 「神原さんと村上さんって対照的ですよね。でも対照的なせいか仲がいいですよね」 ある日新人からそんなことを言われた。 真…

銭湯で起こったあることについて

先日、以下の記事を読んだ。 銭湯について思うことを書きたい。 まず断っておくけど、ボクはゲイだけど銭湯で変なことをしようとは思わない。そもそも男性を好きになるけど、あまり男性の裸は見たくないし、恋愛感情を抱いてもない相手の裸を見ても何の感情…

ノンケに生まれ変わりたい<10>

「本当に知らないの?」 ボクは嘘をついたけど、片原さんの目は疑いの色が入っていた。ボクは表情に出ないように心がけて嘘を続けた。 「いや〜本当に杉本なんて人は知らないよ」「そうなんだ?」「その杉本って人はどんな感じの人なの?」「髪は短めで、少…

ノンケに生まれ変わりたい<9>

ある日、ボクは片原さんといつものように大学近くのファミリーレストランで深夜遅くまで雑談をして過ごしていた。客の大半は同じ大学の生徒ばかりだった。いつも通りにボーイズラブトークなど、とりとめのない話ばかりしていた時だった。 「ねぇ……そういえば…

プールの監視員にドキドキしてます<さらに続き>

前職のノンケ友人(村上)との会話でカミングアウト済み関係です 神原:痛てててっ……肩が痛い。監視員の彼にときめいてしまって、また泳ぎ過ぎたよ Σ(>д<) 村上:その話ってまだ続くのかよ(;´∀`) 神原:駐輪場からガラス越しにプール内部が見えるんだけ…

ゲイ仲間に共感してくれる人はいないかな?

前職のノンケ友人(村上)との会話でカミングアウト済み関係です 村上:ここ四日間ほど不思議な文章を書いてたけど、この記事はいったい何なの (・・?) 神原:あぁ……これね。突発的に書いてみたくなったんだ ヾ(*´∀`*)ノ 村上:どういった意図があって、こんな…

いつも見ている風景<4>

相手は寝転がって目をつぶっているけど起きているのは分かっていた。ボクはカーテンをそっと閉じて再び寝転がった。 ボクの好みのタイプだ。 年齢は同じ年くらいに見えた。ボクと目が合って、それから戻って来て隣の部屋で寝てるってことは、彼の方も少しは…

いつも見ている風景<3>

ボクはそっと目を開けて左の隣室を見た。隣室といってもレースのカーテンで仕切られているだけだ。暗い中でもうっすらと相手の姿を見ることができる。隣の人はボクと同じように毛布を体までかけて寝ていた。相手もボクと同じように微かに目を開けて隣室の様…

いつも見ている風景<2>

しばらくすると、再びロッカーの扉を開ける音がした。ロッカーの中の荷物をさわる音がガタゴトして扉を閉める音がした。そして廊下を歩く足音が聞こえる。ボクの見上げている薄暗い天井に微かに一人の人影が揺れている。扉を開ける音や、カーテンをめくる音…

いつも見ている風景<1>

ボクは寝転がったまま天井を見ていた。天井には微かに廊下から漏れてくる明かりが映っていたけど、ほとんど真っ暗だった。時刻は二十一時。別に眠たくて寝っ転がているのではない。ボクの頭の上の方には壁があって、足元と左右の方にはレースのカーテンで仕…

ベターハーフという舞台を観に行きました

前職のノンケ友人(村上)との会話でカミングアウト済み関係です 神原:先日、久留米シティプラザに『ベターハーフ』っていう演劇を観に行ったんだ。なかなか面白かったよ。 ベター・ハーフ、東京・福岡・愛知・大阪のすべての公演にお越し頂いた皆様、本当に…

同性とのファーストキス<12>

時の流れは無情なもので、あっという間に夕方になって、ボクらは集合場所になっている京都駅の近くの旅館に集まった。そして夕飯を食べて、いよいよ各グループごとの出し物を催す時間になった。 他のグループは、音楽に合わせて踊ったり、クイズを出したり色…

プールの監視員にドキドキしてます<続き>

前職のノンケ友人(村上)との会話でカミングアウト済み関係です 神原:最近、プールに通いすぎてて、このサイトの記事を書く気力が、なかなか湧いてこない。これが恋の病かしら……(○´∀`○) 村上:そういえば市営プールに通ってて、二十代の監視員に可愛い男性…

同性とのファーストキス<11>

次は鴨川だ。ここも修学旅行で見た時は、ただの川ぐらいにしか思えなかった。実は鴨川沿いの、ある公園が野外のハッテン場になっている。ついでに鴨川沿いのベンチもだ。興味が会って深夜遅くに何度か行ってみた。公園内のトイレ前のベンチに全裸の男性が座…

同性とのファーストキス<10>

ボクにとって京都は、色々な意味で同性愛者としてデビューすることになる街だ。 ボクは高校を卒業してから地元を離れて京都の大学に行くことになる。そして京都に住み始めてから、修学旅行で訪れた観光地に懐かしさと苦い思い出を噛みしめながら再び訪れるこ…

同性とのファーストキス<9>

翌日の授業中、ボクはK君の様子を伺っていた。K君に対しては、一度も恋愛感情を抱いたことがないし、カッコいいとか可愛いとか思ったこともなかった。ボクの中でただの同級生というポジションだった。劇中とはいえ、好きでもない人とキスなんてしたくない…

プールの監視員にドキドキしてます

前職のノンケ友人(村上)との会話でカミングアウト済み関係です 神原:少し前に体の衰えが激しいと記事に書いたけど、一月前から週に三回のペースでプールに通い始めたよ。 村上:どこかのジムに通い始めたの? 神原:いやいや。ジムじゃなくて市営プールだよ…

深夜のカミングアウト<2>

それにしても高校時代、ホモのキャラクターを散々に演じてきたけど、社会人になってから、それが役に立つとは思わなかった。 「○○さん(男性)って可愛いですよね」「○○会社なら、○○さん(男性)が一番カッコよくないですか?」「○○さん(男性)の○○(体の部…

同性とのファーストキス<8>

確かにA君の言う通り、劇のオチとしては同性同士でキスする案は面白いかもしれない。でも同性同士でキスするのなんてみんな嫌だった。それに同性愛者のボクですら嫌だった。実際にはキスする二人のうち、ボクに関しては確定しているので、誰がボクとキスす…

同性とのファーストキス<7>

「じゃあ、これであらすじは決まったね」 ボクらはあらすじが決まって安心していた。そう思った矢先だった。 「オチが納得できないな……」 A君がぼそっと呟いた。 「神原と結ばれるオチってどんな風になるのかな?」 まだA君は納得できていないようだった。…

同性とのファーストキス<6>

劇の内容を無視して、みんなどんな女装をするのか真剣に考えていた。もはや自分たちの女装願望を満たせれば劇の成功も失敗も関係ないようだった。でも主人公役のボクは最初から最後まで登場する可能性があるわけで、失敗したら劇上で居たたまれない状況にな…

同性とのファーストキス<5>

「なんで女装は止めた方がいいの?」 みんなA君の言葉が理解できなくて、不思議がっていた。ボクはA君から「神原が傷ついてるだろ。気持ちを考えて止めてやれよ」とか「神原だって好きで同性愛者になったんじゃないんだ」とか格調が高くて友情溢れる泣ける…

同性とのファーストキス<4>

「じゃあ……主役は神原に決まったけど、それからどうする?」 主役は決まったけど、まだ他には何も決まっていなかった。どうやらボクのホモ役に中心にして話を考えるつもりのようだった。 「そうだ……どうせなら神原に女装させない? それなら面白いよね?」「…

同性とのファーストキス<3>

「何にしようか……クイズでもやる?」 ほとんど反応がない。クラスのイケてないメンバーがクイズを出しても、その場がシラけそうだなと思った。 「それじゃあ……劇にする?」 何人かが頷いた。これで劇をするのは決まった。他のグループは盛り上がっているよう…

同性とのファーストキス<2>

話を修学旅行に戻したい。 「神原ってN君と一緒のグループに入りたいんじゃないの?」「N君と同じ部屋になったら神原は襲うんじゃない?」 目ざとい同級生が、ボクの願望を見抜いて指摘してきた。 「はぁ? そんなこと考えてもないよ」 ボクは慌ててシラを…

同性とのファーストキス<1>

同性とのファーストキスは中学三年生の時だった。 同性に初めて告白したのが高校三年生の時だ。つまり告白する前にファーストキスをしたことになる。そもそも告白する前にファーストキスをしたのは色々と事情があるのだ。 中学三年生になると、どの学校でも…

深夜のカミングアウト<1>

ホモを装った人。 それがボクの社会人一年目でついたキャラクターだった。そのキャラクターはどうあがいても消えなくなっていて、ボクは諦めに似た心境で過ごしていた。ただ正確に言うと「本当にホモなのだけれどホモを装った人」となる。なんだか複雑になっ…

職場でゲイとして生きること<20>

明日からは高校時代と同じように、完全にホモ扱いされて生きていくのかなと暗澹たる気持ちでいた。 「それで神原って男が好きなの?」「えぇ……もうバリバリに男が好きですよ」「おぉ! 神原のこと応援するよ」「ありがとうございます」 もはや失うものは何も…

職場でゲイとして生きること<19>

その場の雰囲気が気まずくなってきた。ボクはいつものように明るく受け流すことができなかった。その場の雰囲気がよそよそしくなったのを感じて、ボクはせっかくゲイであることを頑張って隠してきたけど、もうバレたと思っていた。 「なんでゲイバーに行かな…

職場でゲイとして生きること<18>

もしボクがゲイだと認めてしまったらどうなるのだろう。目の前で笑っている同僚たちも凍りつくだろう。急に態度がヨソヨソしくなったりするのかもしれない。それに考えすぎかもしれないけど、ゲイの上司なんて部下からすれば嫌な気持ちになるかもしれない。…

職場でゲイとして生きること<17>

「ねぇねぇ……彼女とは最近会ってるの?」 ボクの一番めんどくさかった対応だ。ホモかと問い詰めてくれた方が、何も考えないで否定すればいいから楽だった。ボクは頭をフル稼働させて前後の辻褄が合うように話を合わせていた。 「えぇ……会ってますよ」 そもそ…

職場でゲイとして生きること<16>

ふと考えてみると、同僚からの呼び名が「両刀使い」からいつの間にか「ホモ」に逆戻りしていた。でもそれは置いといて、その会社の担当者も人をホモ呼ばわりするなよ! ちゃんと人の名前を覚えろよ! ボクの会社の上司にホモの話とかするなよと内心で頭を抱…

職場でゲイとして生きること<15>

システムエンジニアになろうと思ったきっかけは不純だったけど、仕事をしていて人間関係を築くのが面白くてしょうがなかった。 「神原ってホモだからね」「違いますよ! 女しか興味がないですよ」 ボクは毎日のように、会社で不毛な戦いを続けていた。でも職…

職場でゲイとして生きること<14>

翌日、どこで同僚から見られているか分からなかったので、なるべく手を振らないで出勤した。 「いや〜昨日は衝撃的だったな。まさか神原が両刀使いだったとは思わなかった」 業務開始の前に、疑惑の原因を作った上司が席に着いて言った。ボクを弄るのが楽し…

職場でゲイとして生きること<13>

飲み会の帰り道、ボクは同僚と別れて一人になってから通りの店の窓ガラスに映る自分の歩く姿を見ながら歩いていた。 そんなにボクの歩く姿ってホモぽいかな? 少し手の振り方が大きいのかな? それとも少し手を横に振ってる感じがするのかな? あれこれ考え…

職場でゲイとして生きること<12>

こういった時、弄られキャラというのは大変だ。弄られキャラは、どこの会社や部署に最低でも一人はいると思う。まさにボクがその一人だった。同じ同期でも村上君は性格が神経質でキツイから誰も弄ろうとはしない。恐らく弄って遊ぼうものなら、上司であろう…

職場でゲイとして生きること<11>

「神原って歩く時の手の振り方とかなんとなくホモぽいって」 酔っ払っているためか前回と違ってしつこかった。ボクは自分の歩いている姿を頭の中に思い浮かべたけど、いまいち分からかった。 「えぇ……本当ですか?」 ボクは笑いながらごまかしまぎれにジョッ…

職場でゲイとして生きること<10>

その日は、それきりボクの話題には触れることなく終わった。そして数ヶ月の時間が流れて、特に同じ話題にならなかったので、ボクの中で上司の言葉も徐々に薄れていった。 そんなある日、あるプロジェクトが終わって打ち上げの飲み会をするため、会社近くの飲…

職場でゲイとして生きること<9>

その上司はプロジェクトマネージャーで、よくチームのメンバーに冗談を言っては笑わせて和やかなムードを作ることに長けていた。彼の言葉を聞いて同僚達は冗談かと思って笑っていた。周囲の同僚の様子を探ったけど、いつものように冗談と取っているのか別に…

職場でゲイとして生きること<8>

「キャバクラなんて、そんなの最初から断って行かなければいいのに!」 翌日、ボクは会社に出勤してから同期の村上君に前日の出来事を話していた。同期の村上君は真面目で几帳面で潔癖症だから、そもそも誘われてもキャバクラに行かないのだ。いや……そもそも…

住吉奇譚集<17>

年配の男性は窓を開けて「暑い暑い!」とぼやいていた。ボクはベッドから起き上がって、窓の方に歩いた。彼はベッドに座ったまま、身を乗り出して窓から顔を突き出していた。ボクも一緒になって窓から顔を出した。三階の窓から住吉の夜の街並みが少しだけ見…

福岡は今日も雨だった

前職のノンケ友人(村上)との会話でカミングアウト済み関係です 神原:ニュースにもなってるけど福岡はずっと雨が降ってます。先週の火曜日に台風が来た影響で雨が降って、それは風も雨も大したことがなかったんだけど、翌日の水曜の昼過ぎくらいに、職場でス…

ゲイとして生きる場所を作ること

少し前に以下の文章を書いた。 この文章を書いた後、ボクが故郷に何の後ろめたい気持ちもなく堂々と帰れるのはいつになるのだろうと考えてみた。これは少し書きにくい話になるのだけれど、きっとボクが故郷に安心して帰れるのは、恐らく親が亡くなった時だろ…

カミングアウトの代償<20>

この章の冒頭にも書いたけど、ボクにはカミングウトをすることがいいことなのか分からない。でもこれだけは言える。カミングアウトは、ボクのように軽い気持ちでしてはいけない。人生が大きく変わる覚悟を持ってからしなくてはならない。 カミングアウトをす…

カミングアウトの代償<19>

この街にはもういられない。 ボクがこの街にいたら、いつかきっと親に迷惑をかけてしまう。姿を消していれば、いつかきっとボクの存在も、みんな忘れてしまうだろうと思った。 ボクは大学生になってから、最低限の回数しか実家に帰っていない。ボクがほとん…

カミングアウトの代償<18>

後になって後悔しても遅いのだが、彼らの様子がおかしいとおもった時点で、近くことを止めておけばよかった。ボクは不審に思いながらも彼らに近づこうと歩きだした時だった。 「ホモ! キモい!」 「死ね! こっち来るな!」 二人は一緒になって、ボクにこれ…

住吉奇譚集<16>

ボクは彼がシャワーを浴び終えるまでの間、二階や三階を行ったり来たりすることにした。どの敷布団にもベッドにも誰かしらが寝ていた。 既に深夜三時を過ぎて四時になろうとしていた。みんなぐっすりと眠っていた。歩きながら周囲の音に耳を澄ませていると、…

職場でゲイとして生きること<7>

大学時代から有料ハッテン場に行きはじめたけど、その罪悪感は、自分の中で常に抱いているものだった。でも、なるべく見つめないようにしていた物だった。いや……見つめてはいけないものだった。 自分のやってることへの罪悪感。同性愛という社会的に認められ…