ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

同性愛者が存在する確率<6>

「そういえば、他校の方まで広まってたんだけど、ボクがホモだって噂とか聞いたことがなかったの?」 彼と会ってからずっと気になっていることだった。ボクと金子君とは中学生になってからは別の学校に通っていた。小学時代の同級生から街中ですれ違った時な…

同性愛者が存在する確率<5>

「そうなんだ……常連ばっかりなんだ」 書き込みの件数が少ない掲示板だから驚きはしなかった。同性愛者の出会い系の掲示板なんて、よくよく見ているとわかるけれど、同じ人たちが毎日書き込みしているなんて日常茶飯事だ。 「それにしても神原って、こっちの…

同性愛者が存在する確率<4>

◇ 車の窓ガラスを下ろして、ボクの顔を見ながら運転席の男性が言った。 「見覚えがある……」「ボクも見覚えがある……」「もしかして神原だよね!」「金子君だよね!」 運転席には懐かしい顔があった。確か金子君とは小学生時代に五年生と六年生の二年間ほど同…

同性愛者が存在する確率<3>

絶対に知り合いかと思いますし、お互いに会うと気まずくなると思いますよ。会わない方がいいと思うけど…… ボクはそうメールして打ち切ろうと思っていた。ボクだって相手が誰なのか好奇心はあった。でも恐怖心の方が勝っていた。相手が小学生時代に仲がよかっ…

同性愛者が存在する確率<2>

ボクはパソコンの前で、掲示板に投稿する文章を考えた。 実家に帰省している大学生です。誰かメールでもしませんか? そうキーボードで文字を打ち込んで投稿ボタンを押した。ただ投稿してみたものの、特に誰かと会うことなんて考えていなかった。ボクには移…

同性愛者が存在する確率<1>

ボクは住宅街の裏路地に体を隠していた。その目の前の道路を紺色の軽自動車が勢いよく通り過ぎていった。車を運転している人の顔が見たくて目を凝らしていたのだけれど、あっという間で見えなかった。車が完全に去ったのを見届けて、裏路地から道路沿いの歩…

同性愛コンテンツに触れる勇気

このサイトで、最近になってからコンテンツのレビューを開始した。同性愛に関する本や映画などを見て感想を書いている。 このレビュー記事がなかなか苦しい。 いや……正確には、レビュー記事を書くのはいいのだけれど、そもそものコンテンツを鑑賞するのが苦…

住吉奇譚集<20>

この話は2017年6月3日の夜から4日の朝にかけての福岡市の住吉を舞台に起こった出来事を詳細に綴ったものだ。 今回の二件の店には今後は行くことはないだろう。どちらの店も意図して行った訳ではないけれど、あまりに対照的な店だった。一件目は若者向…

本当は同性が好きなの?<3>

ボクは離れた場所まで歩いて後ろを振り返った。会社の出入り口に彼女の姿はなかった。 なんで嘘をついただろう。 真実を打ち明ける決意をしていたのに、口に出す最後の一瞬でボクの気持ちは変わっていた。 「神原君って……本当に同性が好きなんじゃない?」「…

小説『箱の中』を読んだ感想

箱の中 【講談社版】 (講談社文庫) 作者: 木原音瀬 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/04/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 木原音瀬さんという作者は、BLを扱った小説が多いようだ。恐らくこの本にはいくつかテーマ(冤罪や犯罪歴の…

本当は同性が好きなの?<2>

今まで、ここまで真剣に「同性が好きなんじゃないの?」と質問されたことはなかった。ボクは予期していなかった質問に狼狽していた。 「なんで……そんなこと訊くんですか? 今日が会社に来る最後の退職日ですよ。そんなの最後にする質問じゃないでしょ?」 ボ…

本当は同性が好きなの?<1>

ある女性から電話がかかって来た。 ボクが転職する前の会社で総務をしていた女性だ。ボクよりも五歳ほど年上で、ボクと彼女は、なぜか気が合って、よく二人で昼ごはんを食べに行ったり、飲みに行ったりした。既に結婚していて旦那も同じ会社に勤めていて、ボ…

住吉奇譚集<19>

外に出ると、空は明けていて鳥の鳴き声が聞こえた。周囲の目が気になって急いで店から離れた。少し離れたところで振り返って見ると、どう見てもただの一軒家にしか見えなかった。まさかこの家の中で、年配の男性たちが激しい肉体的な関係を持っているように…

映画『ベニスに死す』を見た感想

ベニスに死す [DVD] 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ 発売日: 2010/04/21 メディア: DVD 購入: 6人 クリック: 30回 この商品を含むブログ (37件) を見る トーマス・マンの有名な文学的な作品なので、同性愛コンテンツとして紹介するのも気がひけ…

ちょっと変わった観光方法

今回は同性愛とは全く関係のない話だ。 実は二日前から福岡以外の場所にいる。転職前の職場は客先のシステム導入がある度に出張に行っていた。転職後は仕事で滅多に福岡から出ることがない。仕事で県外に行くのは久々だ。 福岡から遠く離れた日本海側の街に…

住吉奇譚集<18>

「でも無理に女性と結婚しても、うまく生活を続けられるかどうか……女性に対して愛情が持てないんですよ。だから相手の女性に悪いです」「そう深く考えるな。適当な女性を見つけて結婚しとけ!」 ボクは年配の男性と向き合って会話していた。ボクはバスローブ…

プールの監視員にドキドキしてます<しつこく続き>

前職のノンケ友人(村上)との会話でカミングアウト済み関係です 神原:最近、知り合いに会う度に「痩せたよね?」って訊かれる。とりあえず「仕事のストレスでやつれてるだけです」って答えるようにしてます。 村上:もともと太ってないけど、確かに少し痩せ…

同性愛者の住宅事情<5>

おじさんが亡くなった後、他県に住んでいる妹が後始末のため訪れたことを知った。おじさんは自宅にいる時に体調が悪くなって、自分で救急車を呼んで病院に運ばれた後、しばらくして亡くなったらしい。ちょうどボクの母親が地区の班長をしていたから詳しく知…

同性愛者の住宅事情<4>

夕方、ボクは近所の友達の家に遊びに行って帰る途中、そのおじさんの家の前で立ち止まって耳を澄ませて家の中の様子を伺っていた。家の中から、テレビを見ているのか、よく野球中継のアナウンサーの声が漏れていた。夏になると縁側でうちわを扇ぎながら涼ん…

同性愛がテーマのブロガー仲間たち<2>

このサイトの記事だけど、ある時期から特定の誰かに宛てて文章を書いいることが多い。ある記事がまるごと誰かに宛てて書いているときもあるし、文章の断片的に誰かに宛てて書いているときもある。誰に宛てているかといえば、実際に知り合った同性愛者だった…

同性愛がテーマのブロガー仲間たち<1>

先日、ボクのサイトの記事についてchuckさんに言及していただいた。 このサイトの文章を書く際、手書きのメモ帳を見ながら書いている。サイトに載せる文章の草稿をメモしているページもあるし、いつか触れたい内容をリスト化してメモしているページもある。…

同性愛者の住宅事情<3>

ここまで住宅事情について書いてきたけど、小学生時代のある思い出について書きたい。 ボクの実家は住宅街の中にある。その二軒隣の平屋の一戸建てに、一人暮らしの男性が住んでいた。その男性の存在を知ったのは、ボクが小学生の三年くらいだった。 近所の…

小説『ボクの彼氏はどこにいる?』を読んだ感想

『ボクの彼氏はどこにいる?』という本を読んだ。正確に言うと、この本を読んだのは二年くらい前だ。石川大我さんというゲイの方が書いた本で、現在は豊島区の議会議員をされている。 ボクの彼氏はどこにいる? (講談社文庫) 作者: 石川大我 出版社/メーカー:…

同性愛者の住宅事情<2>

ボクが「賃貸アパート」に住んでいる理由はいくつかある。その前に、他の不動産に関するボクの見解を書いておきます。これはあくまで個人的な見解です。 まずは「新築住宅の購入」だけど、もともと平日は仕事があるし、休日も必ずどこかに出かけるようにして…

同性愛者の住宅事情<1>

先日、書いた記事の中で少し住宅に関して触れたので、引き続き書いて行こうと思います。 ボクの住んでいる場所は福岡市内から離れている田舎のため、新築住宅を購入している人が圧倒的に多い。職場の同僚も家庭持ちばかりで、結婚して子供が生まれた段階で賃…

深夜のカミングアウト<9>

ボクは派遣社員からの寄せられる奇異の目線を無視してパソコンの設定にいそしんでいた。しばらくするとパソコンの設定も終わってしまったので、ボクが次に参加するプロジェクトのリーダーから声をかけられ、打ち合わせをすることになった。既に導入している…

ゲイとして生きる場所を作ること<4>

ボクが同性愛者として一歩を踏み出せないのは、この辺にあるんだろうなと思いながらコメントに対する返信を書いていた。 ボクはまだ同性愛者として生きて行く覚悟ができていないのかもしれない。 心の中のどこかで、自分がゲイであることを認めたくないとい…

ゲイとして生きる場所を作ること<3>

昨日の記事の続きを書きます。 地元の人たちと関係を築いていくのが難しいと痛感したので(まだ継続して活動は続けているけど)、いろいろ考えた結果、このサイトを書き始めてみた。このサイトを始めた理由は以下の記事に書いてる。 このサイトを始めるのに…

ゲイとして生きる場所を作ること<2>

先月に書いた以下の記事の続きを書きます。 ボクは生きて行く場所を自分独りで作っていなかなくてはならない。それには別に同性愛者に限定する必要はなくて、ボクの住んでいる地域の人たちと関係を築いていかなくてはならないけれど、それがなかなか難しいと…

深夜のカミングアウト<8>

客先へのシステム導入がひと段落した時点で、ボクは東京の本社に戻ることになった。これからは、何か大きなトラブルが発生した時や、月に一回ぐらいのペースで客先に顔を出せばいいことになっていた。 数ヶ月ぶりに東京に戻って、ボクは新幹線から降りて、そ…