ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

第22章 愛から遠く離れて

愛から遠く離れて<16>

はっきり言ってショックだった。彼には暗闇の中とはいっても、きちんとボクのことに気が付いて欲しかった。京都では何十人ものゲイの人たちと会ってきたけど、一番長い関係を持った人がたかぽんさんだった。それなのにこのザマだった。 大学を卒業して東京に…

愛から遠く離れて<15>

この時、ボクは生まれて初めて計画的に復讐しようとしていた。それだけ彼のことを好きになりつつあったという裏返しなのかもしれない。少し前まで彼とチャットしたくてパソコンの画面を何度も見ていたのにそんなことは忘れていた。数ヶ月経っても彼からメー…

愛から遠く離れて<14>

何であんな態度を取っておきながらこんなメールを送ってくるんだろ? ボクには彼が何を考えてるのか理解できなかった。でもただ一つだけ分かったことがある。彼にとってボクはただのセックスする相手の1人で、有料ハッテン場で乱交している人たちと変らない…

愛から遠く離れて<13>

みんな病気になって死んじゃえばいいのに…… ボクはベンチに座って鴨川を見ながらそう考えていた。数日前に雨が降った影響で川の水量がかなり多かったのを今でも覚えている。たかぽんさんもトイレ前で全裸だった人も、ボクには彼らが何を考えているのか理解で…

愛から遠く離れて<12>

ボクが向ったある公園。それは鴨川沿いの出町柳駅の近くにある公園で野外のハッテン場になっていた。ボクは「京都ハッテン場ガイド」というホームページを見て、その公園が野外のハッテン場であることを知っていた。ボクは誰か話しができるゲイ仲間を求めて…

愛から遠く離れて<11>

「お久しぶりです」 実際には1ヶ月くらいしか経っていなかったけれど、そう言って挨拶をした。彼はボクがいたことに驚いたようで反応が無かった。ボクは構わないで言葉を続けた。 「寝てると人がいると思って顔を見たら、たかぽんさんで驚きました」 ボクは…

愛から遠く離れて<10>

しばらくすると、今度はたかぽんさんの方がタチ役になって刺青の男性を相手にバックで責めていた。それから3人が交互にキスしたりバックをしたりフェラをしたりして乱れていた。つい先日まで彼の部屋で一緒に寝ていたのが信じられなかった。彼はボクが聞いた…

愛から遠く離れて<9>

ボクは彼のことを諦めて、サポーター(京都市内で唯一の有料ハッテン場)に通い始めた。今になって振り返れば、もっと他に選択肢はなかったの?と思うけど、当時のボクは真剣に有料ハッテン場で誰かと会って恋愛関係を築けると信じて行動していた。 ボクはサポ…

愛から遠く離れて<8>

きっとまたメールが来るよね…… ボクは彼と別れてから徐々に不安が強くなっていた。早ければ早朝に別れて午前中には「次に会う日を決めない?」と彼からメールが来ていた。ボクは講義中も携帯電話を傍に置いて彼からのメールを心待ちにしていた。でも結局、そ…

愛から遠く離れて<7>

それからボクらは週に1回から2回のペースで会い続けた。でも会い続けたとは言っても、いつも会う時間は「夜」だった。 「おみ君って自分のことを『ネコ』って言ったけど、もしかして『リバ』なんじゃない?」 彼の腕枕で寝ていると急に言われた。 「えっ……な…

愛から遠く離れて<6>

四条大宮に着きました。 ボクは近くの駐輪場に原付を止めて待ち合わせのコンビニの前に立ってメールを打った。 5分ぐらいで迎えに行きます。 すぐに彼から返信があった。四条大宮は夜になっても会社帰りのサラリーマンが多い。コンビニの前で手持ち無沙汰で…

愛から遠く離れて<5>

それからボクは夜になると、パソコンの前に座ってチャットルームのサイトを開いて彼を待っていた。でもずっと待っていても彼は姿を現さなかった。「ボクは彼と話をしたかったけど、彼はそう思っていないのかな?」なんて思ったりもした。何度も画面の更新ボ…

愛から遠く離れて<4>

ボクはハンドルネームを「おみ」という名前にして入室した。先に入室していた相手の名前は「たかぽん」だった。 おみ:こんばんわ!たかぽん:こんばんわおみ:京都市内のどこに住んでるんですか? ボクは●区に住んでます。たかぽん:こっちは四条大宮に住ん…

愛から遠く離れて<3>

四条大宮に住んでいる彼との出会いはインターネット上のチャットサイトだった。 大学時代は、ゲイ向けの出会い系サイトで誰かに会ってみたり、有料ハッテン場に行ったりして、目についたものは手当たり次第に試していた。田舎育ちのボクにとっては、どれも全…

愛から遠く離れて<2>

「いいですよ」 ボクは一緒に彼の家から出ることにした。今まで彼とは肉体関係が終わって1時間もすれば帰宅するようにしていた。彼の家に朝までいたのは、これが初めてだった。「コーヒー飲む?」と訊かれたので頷いた。彼は朝食のパンを焼きながら二人分の…

愛から遠く離れて<1>

うっすらと目を開けると、目の前には知らない男性の顔があった。 この人……誰だっけ? ボクは名前も知らない人に腕枕をされていた。しばらく彼の顔を見ていたけど体を起こして周囲を見渡した。既に夜は明けて、カーテン越しに朝日が差し込んでいた。ボクがい…