母親にゲイとバレる日<4>

 母親からホモなのか?と突然問い詰められたボクは間髪おかずに笑顔で言葉を返した。

「ハァ?・・・何言ってんの?ホモとかありえん!」

 冗談は止めてよ!と笑顔で答えて受け合わないようにするしかない。瞬間的に判断したボクは、母親からどんなに追求があってもひたすら笑顔で流そうと判断した。

「ふ〜ん」

予想に反して母親から追求はなく、全く違う話題を振ってきて暫くして席を立っていった。母親が部屋から出ていった後、よくやく思考ができるようになった。

「ゲイだとバレたのだろうか?」

「あの場の回答としては満点だったと思うけど、誤魔化せただろうか?」

「なんで小学生時代の同級生にまでボクがゲイだと広まってんだよ!」

「N君の母親ふざけんなよ!親同士でそんな会話するなよ!」

「他の親からも耳に入ったらアウトだ!」

「もしかして母親は父親に話さないよな?」

 次々、色んな考えが巡ったが、最終的には自分のバカさ加減を後悔するようになった。

「なんでカミングアウトしまくってたんだろ?」

「あぁ〜〜自分のバカバカバカバカバカバカ!」

「どうやってこの噂を消していけばいいんだろ?」

「とりあえず明日からは、カミングアウトは控えよう。いやでも遅いだろ!」

 その日の夜、布団に入ってからもなかなか眠れないで、ぼ〜と暗闇の中で座って明日からどうやっていけば噂が消えるだろうか?と悩み続けた。中学生時代から6年間もカミングアウトし続けて来たのに、今更消しようもなかった。

<つづく>