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ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

大人の同性愛世界の入り口<4>

第6章 大人の同性愛世界の入り口




銭湯にサウナか・・・面白そうだな。ボクの実家近くには銭湯がなかったせいか、子供の頃から銭湯に行った記憶がほとんどなかった。

「うん。一緒に行こう!」

乗り気になったボクは、ショウタ君のメールに返事をした。

ボクらは銭湯の店先で待ち合わせすることにした。何を持っていけばいいかわからないけど、とりあえずバスタオルと前隠し用のタオルを持っていけばいいと思いカバンに入れて、待ち合わせ場所に向かった。銭湯に着くと先にショウタ君が来ていた。ボクに気づいたショウタ君は言った。

「オッス!じゃ入ろうか」

ボクらは暖簾をくぐって銭湯に入った。券売機で入場券を買い、脱衣所で服を脱いで浴場に入っていった。

「へぇ・・・銭湯って思ったより人が多いんだね。こんなに人がいるって思わなかった」

浴場には何十人も客がいた。社会人や老人や子供も、そして大学近くだから学生らしき人が何人かいた。露天風呂にサウナに冷水風呂に電流風呂にラドン湯か・・・ボクは物珍しそうに銭湯の設備を眺めていた。

ちなみに補足しておくと、同性愛者だからといって、銭湯で男の裸が見たいわけではない。好きでもない見知らぬ人の裸を見ても何も思わないし、むしろ見たくないくらいだ。ボクは友達のショウタ君に対して恋愛感情も抱いていなかったし、彼の裸を見ても特に何の感情も湧かなかった。

物珍しそうに周囲を観察しているボクにショウタ君は言った。

「まずはサウナ入ろうよ!」

「あっ・・・うんいいよ!」

ボクらはサウナルームに入った。サウナルームのの中には、お年寄り3名に40代が1名、30代が1名いた。ボクはショウタ君とサウナルームの中にあるテレビを見ながら雑談をしていた。雑談をしている最中、30代くらいの男性から、何となく視線を感じるようなことがあった。

「あれ?あの人から視線を感じるけどボクらの雑談がうるさいのかな?」

ボクは声を小さくして喋るようにした。何だろう?視線がおかしい気がする。怒っているのではなく、まるでボクらのことを観察しているような気がする。サウナルームを出た後、ボクはショウタ君に聞いてみた。

「さっき30代くらいの人がいたけど、怒ってたのかな?何となくジロジロ見られている気がしたけど気づかなかった?」

「そうか?気づかなかったけど」

ショウタ君は気にしてないようだった。何となく気になっていたボクも無視しておけばいいかと開き直ることにした。

2時間くらい銭湯で遊んでいただろうか、流石に疲れて来たボクらは銭湯から出て来て、2人で晩御飯を食べて別れた。ボクは銭湯に誘ってくれたショウタ君に感謝していた。

「一人暮らし用のアパートの狭い風呂に入ってもつまらないし、1週間に1回くらいなら気分転換に行ってもいいな」

そう思ったボクは、毎週土曜日に1週間の疲れを癒すために1人で銭湯に行くようになった。そう・・・まだボクは銭湯という場所が、一部の同性愛者にとって特別な場所になっていることを知らなかった。

<つづく>