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ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

大人の同性愛世界の入り口<6>

「えっ?」

「それとも俺の家に来る?」

この人は絶対にヤバい・・・変態だ!・・・ 一瞬で判断したボクは、湯船の中で慌てて彼から距離を取った。ボクは彼の手が届く範囲から離れてから彼を睨んだ。彼の顔からは笑顔は消えていた。睨んだボクと目が合いすぐに焦った顔になった後、湯船から飛び出した。そして走りながら内湯のドアを開けて屋内に飛び込んで行った。

「よかった!逃げてくれた!それにしても何だったんだ・・・あの人は・・・」

露天風呂に一人残されたボクは呆然としていた。まだ銭湯内に彼がいるかもしれないと思ったので、露天風呂から動けないでいたが、別の客が何人か露天風呂に出てきた。一人ではなくなったボクはようやく落ち着いてきた。しばらくして、恐る恐る内湯に戻ってみると、内湯に彼の姿はなかった。サウナルームにも彼の姿はなかった。脱衣所にも彼の姿はなかった。

「よかった〜帰ったのか!」

彼がいなくなったことを確認してようやく安心したが、露天風呂で一人になるのが怖かったので、内湯に浸かっていた。内湯に浸かりながら、徐々に冷静になってきて頭の整理ができて来た。

「さっきの人って男に手を出してきたってことは同性愛者だよな?」

ボクと同じ同性愛者の仲間なのかもしれない。でも銭湯のような公共の場所で、あんな行為をする人を仲間と思いたくなかった。

「あの人って常連客だけど、もしかしてボクにしたみたいに他人に手を出したようなことをするために、頻繁に銭湯に来てたのかな・・・」

ボクはようやく重大なことに気づいて慄然した。

「もしかしたら・・・この銭湯の常連客の人たちって・・・」

ボクは常連客たちを見た。常連客の全員ではないけれど、何人かの常連客が他の客を物色するように見ていることに気づいた。そんなこと考えたくなかったけど、サウナルームで感じた視線も辻褄があった。

「やっぱりそうだ・・・」

ようやく全ての状況が理解できた。

「彼はボクのことを同性愛者だと思ったのか・・・それでボクに手を出してきたんだ・・・でもボクは急に触られて驚いて拒んだ。その反応を見て、彼はボクのことを同性愛者ではないと判断して、同性愛者ではない人に手を出してしまったと思い、通報されると思って慌てて逃げたのか!」

ボクは銭湯という場所が一部の同性愛者に取って出会いの場所になっていることをはじめて知った。

<つづく>