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ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

大人の同性愛世界の入り口<7>

第6章 大人の同性愛世界の入り口




ボクは今まで気にも止めていなかった銭湯の貼り紙に目を向けた。貼り紙にはこう記載されていた。

「浴場内で他の人が不快と感じる行為を禁止しています。他人の体を触ったりした方は警察に通報します!」

この貼り紙の文言が、自分にも強く向けられている気がした。彼らはどうしてここまでの危険を犯してまで出会いを求めているのだろう。何故、同性愛者は、こうまでしてリスクを犯さないと出会うことは無理なのか?大学生になり同性愛者であることを隠して生きる決意をしたボクに好きな男性と恋愛ができる日は来るのだろうか・・・中学時代や高校時代は同級生を相手にして無邪気にカミングアウトしていたけど今までとは別のステージに上がっていた気がした。彼らに話しかけて相談してみたい気がするけど、ボクと彼らとは価値観も違うと思った。

考え事をしている最中も、何人かの常連客がボクに視線を送ってくるのに気づいた。

「こいつは同性愛者側の人間なんだろうか?」

そう思われているのだと感じたボクは風呂に入ってるのに寒気がした。

「ボクにはとてもこの人達の真似はできない」

ボクは急いで風呂から出て、服をきて銭湯から出て行った。

その後、その銭湯に一人で行くことはなくなったが、1年以上経ってからショウタ君に誘われて1度だけ行く機会があった。ボクに手を出してきた彼はいなかったが、相変わらず常連客たちは来ていた。彼らはボクとショウタ君を同性愛者の仲間なのか物色するように観察していた。ショウタ君は彼らから観察されていること自体に気づいていなかった。

もう少し後に知ることになるのだが、その銭湯は大学に近いということもあり、若い学生との出会いを狙った同性愛者たちが集まっているので有名な場所だった。同性愛の世界には、まだ同じような出会いの場がいくつもあるのだが、ボクは大人の同性愛の世界の一端に、意図せずに足を踏み入れてしまった。

ようやく同性愛者の仲間と会えたのに、同性愛の世界で生きて行くことに諦めつつあった。この銭湯での出来事があったから、同性愛者であることに強い疑問を持ち、はじめて同性愛を直したいと思うようになった。

<おわり>