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ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

同性愛者の友達が欲しい<5>

 ボクは生まれてはじめて女装している人に会った。そして頭の中では完全に思考が崩壊していた。

「こんな姿で驚いた?」

 ボクの気持ちを見透かしているかのようにその人は言った。

「そうですね・・・少し驚きました」

 実際にはかなり驚いていたのだが、面と向かって言うわけにはいかなかった。その人に出会うまで、頭の中には色々な相手のイメージがあった。自分の好きなタイプの外見だったらいいなとか妄想していた。でも女装をしていることは想定外だった。メール相手の人はボクの姿を上から下まで目で追いながら言った。

「あの掲示板に書き込みしている人って嘘の年齢を書く人が多いけど、本当に大学生だよね?メールのやり取りをしてて真面目そうな人だと思ったけど、会ってみたらイメージ通りだった」

「そうなんですか・・・」

「○区ってことは○○大学の子?」

「そうですけど・・・」

 この人と何を話せばいいんだろうと考えていると相手からさらに切り出してきた。

「ちょっとタバコが切れたからコンビニに寄っていい?」

 ボクは「いいですよ」とうなずきながら返事をした。

 公園のすぐ近くにコンビニがあった。ボクはタバコを吸わないので公園前で待っていようかと思ったけど、その人は「一緒に行こう」と声をかけてきた。すれ違う人達はボクらの組み合わせを不審そうにジロジロ見ていた。コンビニの前まで来るとメール相手の人は言った。

「一緒にいるところを見られるのが嫌なら外で待ってていいよ」

 その人はコンビニの中に入っていった。ボクは店の外で待っておこうかと思ったけど、相手を避けては失礼だと思って一緒に入ることにした。その人はレジの店員に欲しいタバコの銘柄を伝えてお金を渡していた。店員は驚きを顔に出さないで対応していたが、他の客は、男性のような女性のような不思議なその人をチラチラ見ていた。ボクは少し離れたところで、タバコを買い終わるのを待ってメール相手の人を観察していた。

「金髪で服装は女性か・・・でも化粧してるけど顔はどうみても男性だし、体もガッシリしてるから男性に見えちゃうんだろうな」

 ボクは行ったこともないのに、どこかのゲイバーにいそうな人だなと思った。レジで会計を済ませるとメール相手の人はボクに声をかけて来た。

「お待たせ」

 ボクはその人と一緒にコンビニから出た、外に出るとすぐにタバコの箱を開封して、ポケットからライターを取り出して吸い始めた。

「とりあえず公園に戻ろうか?」

「えっ・・・はい」

 どう対応してら良いのかわからいので、相手の言うことに従うことにした。ボクらは公園に戻りトイレ前のベンチに座った。23時は過ぎていたのに辺りには誰もいなかった。

<つづく>