同性愛者としての初体験<6>

 ヒロト君はあっさりと答えた。

「ハッテン場?知ってるよ」

 ヒロト君の言葉を聞いて信じられなかった。真面目で成績優秀なヒロト君のことだ。ハッテン場なんて知らないと思っていた。

「本当に知ってるの?」

「うん。ネットで調べて知ったよ」

「そうか・・・ボクと同じ道を歩んでるな」と思った。知ってるなら話が早いのでボクは話を続けた。

「ハッテン場がどんな所なのか興味はあったから、夜中に◯◯公園に行ったんだ」

「あぁ・・・◯◯公園なら聞いたことがある。割と有名なスポットらしいね。どうだった?」

「お前もどんだけ知ってるんだ」とツッコミを入れたくなったが話を続けた。

「年寄りばっかりだった・・・チャックを下げて◯◯◯をいじって見せてくる人がいたよ」

ボクの話を聞いたヒロト君は笑っていた。

「それで?その人とどうなったの?ヤったの?」

「アホか!無視して逃げたよ・・・ヤルわけがない。やっぱり野外とかでやるのは無理なんだけど」

「神原さんが野外でヤって警察に逮捕されたら超面白いのに!」

ボクが逮捕されている姿を想像して、ヒロト君は楽しそう笑い転げていた。

「そうなったらここまで育ててくれた親に顔向けできないね。男同士で野外でヤって逮捕されたとか・・・お前は大学に入って何やってるんだ?って話だよね」

 ボクの言葉を聞いてヒロト君は言った。

「何をやってたんだ?って、男と野外でヤってたんだけどさ!」

 なおもヒロト君は笑っていた。しばらくして笑いがおさまってからヒロト君は言った。

「俺は野外のハッテン場には行ったことはないけど、サポーターには行ったことがあるよ」

<つづく>