三人(実質は二人だけど)で十五分間くらい攻め続けていただろうか。短髪の男性は大きな声を出してイってしまった。
短髪の男性はぐったりと目をつぶって横になっていた。マッチョな男性はテッシュで自分の手を拭いてゴミ箱に捨てると、さっさと部屋から出て行ってしまった。
「えっ……このまま声もかけずにやり捨てていくの」
あまりの冷淡さにボクは呆気に取られていた。
その場にはボクとメガネの男性だけが残された。ボクは短髪の男性が汚れたままぐったりしているので、テッシュで体を拭いてあげながら、「大丈夫ですか?」と声をかけた。すると短髪の男性はかすかに頷いた。手はずっと繋がれたままだった。しばらく見ているとそのまま疲れ果てて寝てしまったようだ。ボクも部屋から出ようと思って立とうとした時だった。
「いや〜凄かったね」
メガネの男性は、汚れた手をテッシュで拭きながら小声で話かけてきた。
「そうですね……びっくりしました」
「君、二十代だよね?」
「そうです。二十一歳の大学生です」
「俺は三十二歳。実を言うと、君の後を追いかけて来て、この部屋に入ってきたんだ。さっき通路ですれ違った時から、君のことが気になってた」
「そうなんですか……」
「彼より君の方が好みのタイプなんだけど、俺としない?」
ぐったりと寝ている短髪の男性を指差しながらそう言った。唐突の申し出に戸惑いながら、ボクはメガネの男性をじっくりと観察した。思ったことをズバズバ言ってくるけど、見た目は静かで真面目そうな清潔感のある感じの人だった。髪型も普通くらいの長さで、体型も痩せてもないし太ってもない普通体型だった。割とボクの好みのタイプかもしれないと思った。
「本当にボクでいいんですか? バックとかできませんけど?」
「いいよ。そっちはあまり経験がないよね? 嫌と思ったら嫌って言ってね。その時は止めるから」
「ありがとうございます」
「じゃあ……どっか個室に移動しようか?」
<つづく>