ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

カミングアウトの代償<16>

 言葉の力というものは強い。

 この記事の言葉の力によって、今後のボクの人生は大きく転換していく。それは現在に到るまで影響を続けている。何かに悩んでいて本を読んでいると、ひょんなところにボクの悩みを解決する糸口となる言葉が落ちていたりする。ボクは言葉との出会いによって悩みが解決したり、考え方が大きく変化することが多々あった。

 そしてあえて言葉にしないことの力も強い。

 母親はボクのことを心配して散歩に連れ出してくれた。でも一言もボクに対して悩みを問いただすようなことはしなかった。月日が経つにつれて、母親のボクへの愛情がどんどん骨身にしみてきた。あえて一言も言葉にしなかったからこそ、余計にボクの心の中に響いていた。ボクは死ぬまで、あの日のことを忘れないと思う。そして母親がいつか歳をとって死んだ時に真っ先に思い出すのは、あの日のことだと思う。この母親になら自分がゲイであることを打ち明けても、確実に受け入れてくれる確信が持てた。

 もう……ホモキャラを演じることは止めよう。

 高校生になって三年近くも同じことを悩み続けてきたので、吹っ切れたときの反動も強かった。

 ボクはゲイだけど、やっぱりそれはどうしようもなくて、それが理由で嫌われたらならしょうがない。無理に人から好かれようとする必要もない。

 でもボクには愛情を注いでくれる両親もいるし、わずかだけど仲の良い友達もいる。少しでも誰かと繋がっていれば、もしくは誰かと繋がったという記憶があるだけでも、きっと今後も生きていけるという気持ちを抱いていた。

 ボクはその場所で、できるうる限り真面目に生きていく。それでもボクがゲイであることを理由に、そこに存在する価値のない人間になるのなら、そんな場所からはさっさと逃げればいい。

 ボクには逃げる場所もある。

 もし両親が亡くなって、友達もいなくなって逃げる場所がなくなっても、誰かと繋がったという記憶があれば生きていける。

 この二つの出来事がきっかけで、ボクの中でモヤモヤしていた悩みが一気に腑に落ちていった。

<つづく>