ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

同性とのファーストキス<4>

「じゃあ……主役は神原に決まったけど、それからどうする?」

 主役は決まったけど、まだ他には何も決まっていなかった。どうやらボクのホモ役に中心にして話を考えるつもりのようだった。

「そうだ……どうせなら神原に女装させない? それなら面白いよね?」
「それいいね!」
「女装ならセーラー服とかよくない?」
「ボク……セーラー服なんて持ってないよ。そもそも女装なんてしたくないんだけど」

 ちょっと待って欲しい。そもそもゲイだからと言って女装が好きな訳ではない。でもどんなに真面目に説明したところで、彼らは理解してくれないだろう。 

「俺の姉ちゃんの服を貸してあげるって、お前って背が低いし多分サイズも合うと思うよ」
「じゃあ……神原がセーラー服を着るってことでいいね」
「おぇおぇ……神原の女装姿とか想像しただけで気持ち悪いな。吐き気がするよ」
「ちゃんと足の毛とか剃ってこいよ」
「誰か化粧道具とか持って来れる? 化粧もしないといけないよ」

 こいつら他人事だと思って、言いたい放題言いやがる。それにボクも自分の女装した姿を見ても気持ち悪いと思った。けれど、これは完全なイジメだ。先生たちも出し物の内容を知ったら反対するべきだけど、そもそもボクがゲイであることを知らないから反対もなさそうだ。ボクは半ば諦めて、そう思っているとメンバーの一人から反対意見が出た。

「ちょっと待って! 俺は女装は止めた方ががいいと思う」

 おぉ……やっと良識ある意見が出て来たと思った。

「なんで? 神原を女装させた方が気持ち悪くて面白いじゃん?」
「いやいや。絶対に女装は止めた方がいいよ」

 ボクは頭の中で反対意見を述べているA君を猛烈に応援していた。
 
<つづく>