ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

いつも見ている風景<3>

 ボクはそっと目を開けて左の隣室を見た。隣室といってもレースのカーテンで仕切られているだけだ。暗い中でもうっすらと相手の姿を見ることができる。隣の人はボクと同じように毛布を体までかけて寝ていた。相手もボクと同じように微かに目を開けて隣室の様子を伺っているのがわかった。ボクは目を閉じて相手の出方を待った。

 数分後、左のレースのカーテンをめくる音がした。

 相手がカーテンをめくってボクの顔をじっと見ている気配がした。ボクは緊張しながら動かないで目をつぶって寝ている振りをしていた。すると微かに笑い声がして、ボクの頭を撫で始めた。そして隣室から声をかけてきた。聞き覚えのある声だった。目を開けて顔を見ると、以前に関係を持ったことのある人だった。数ヶ月ぶりの再会だった。ボクらが雑談している最中、ボクの足元のカーテンがめくられて別の男性が顔を覗した。ボクは雑談中の相手から目を離して、覗いてる人と数秒間ほど真っ正面から目があった。目が合った相手はゆっくりとカーテンを閉めて去っていった。雑談が終わると隣室の男性は起き上がって個室から出て行った。

 ボクはまた一人で寝転がって天井を見ていた。

 どこか離れた部屋で、肉体関係を交わしている時の声や物音が聞こえてきた。その声や物音に反応したのか、廊下を歩く人数が増えて来た。肉体関係を交わしている部屋の前に集まって何人かが見物している気配がした。

 いいな……相手が見つかって。

 ボクは羨ましくて、相手が見つからない自分のことが情けなくなった。しばらく時間が経つと、ボクの寝ている部屋に足音が近づいてきた。ボクは目をつぶって寝ている振りをした。今度は右の個室に誰かが入って来る気配がした。動く気配が止まったのでそっと目を開けて右の隣室を見ると、隣室の相手もボクと同じように毛布を体にかけて寝転がって眠っていた。今度はボクの方から物音がしないように、レースのカーテンをそっと開けて相手の顔を覗いてみた。さっき雑談している時に目が合った男性がそこにいた。

<つづく>