ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

深夜のカミングアウト<9>

 ボクは派遣社員からの寄せられる奇異の目線を無視してパソコンの設定にいそしんでいた。しばらくするとパソコンの設定も終わってしまったので、ボクが次に参加するプロジェクトのリーダーから声をかけられ、打ち合わせをすることになった。既に導入しているシステムに対して、中規模のカスタマイズをする案件で、その案件の設計や開発を任させることになっていた。

 打ち合わせも一通り終わった頃に、入り口のドアが開いて、ドカドカと数人の同僚が入ってきた。ボクはその中に村上君の姿を見つけた。彼の方でもボクのことに気がついて、嬉しそうに声をかけてきた。

「おぉ! やっと帰ってきたね」

 ボクに会えたことに単純に喜んでくれている彼を見て嬉しくなった。

「お久しぶり」

 普通に同期と会話しているのに、ボクは緊張していた。あれだけ毎日メールで会話しているので、久しぶりもあったものではない。
やっぱり……ボクは完全に村上君に恋をしてしまってるな。彼と目が会っただけでドキドキしていた。数年ぶりに抱いた恋愛感情は、めんどくさいどころか、楽しくてしょうがなかった。

「今日、何時に上がれる?」

 ボクは訊いた。

「恐らく定時で上がれると思うよ」
「じゃあ一緒に会社を出て飲みに行こうか?」
「そうだね」

 そんなボクらの会話を盗み聞きしていた、いつもの上司が口を挟んできた。

「おっ? 久しぶりに同期の揃って、デートか?」

 この上司は、本当に人を揶揄うのが好きだ。

「そんな関係じゃないですよ。違いますよ!」

 ボクは強く否定した。本当に余計なことを言ってくれる人だ。でも夫婦と言われて本当は嬉しかった。恐る恐る村上君の方を見ると、上司の発言を完全にスルーして仕事に取り掛かっていた。

<つづく>