同性愛者の性長記録<3>

 そういば、こんなことがあった。

 ボクがぐっすりと眠りの世界に入っていると、カーテンを開ける音が聞こえた。

「たかおみ。朝よ起きなさい!」

 朝になって母親がボクを起こしに来たのだ。

「う〜ん。むにゃむにゃ」

ボクは寝起きがとてもいい。布団からすぐに起き上がった。すると自分の枕もとに置いてあるものに目が向いた。目の先にはとんでもないものあった。

 何で……あのアニメ雑誌が枕元に置いているの?

 枕元には雑誌が何冊か置いてあって、あのアニメの特集ページが開かれていた。

「暗い中で本を読んでると目が悪くなるわよ」

 カーテンを開けた後、換気をするため窓を開けながら母親がそう言った。そして朝食の準備をするために部屋から出ていった。寝起きで頭が回らず状況が整理できなかったけど、ボクは枕元の雑誌を急いで片付けた。

 母さん…気がついた?

 その雑誌は、昨晩にボクがおかずにしていたものなのだ。

 ボクは「事」を済ませた後に、うとうとしたまま、いつのまにか眠りについていたのだ。まぁ……ノンケで言う所の、エロ本を広げたまま途中で寝てしまったと同じようなものだ。ボクは物凄く恥ずかしい気持ちになっていた。ボクは重い足取りで居間まで行って、恐る恐る母親の様子を伺っていた。ところが何もなかったようにテキパキと朝食を並べていた。全くのいつも通りだった。

 もしかして……母さんは気がついてない?

 よくよく考えて見ると、母親はボクがそのアニメを好きで見ていたことも、雑誌を買っていることも知っていたのだ。ボクが開いていたのはガンダム関連のページなので、ただのモビルスーツ(ロボット)を見ていたようにしか見えなかったようだ。まさかそのページにいる男の子をおかずにしているなんて誰が思いつくだろう。

 ボクにとっては、その雑誌もエロ本のようなものだけれど、普通の人から見たらただのアニメ雑誌なのだ。その雑誌をオカズにし始めた頃には、どこかに隠したいう気持ちも沸き起こったけど、よくよく考えて見ると、普通にしている方がいいかも?と考え直して、他の本と同じように棚に並べて置いていた。ボクの兄貴なんて、暇つぶしにボクの部屋に来ては棚から雑誌を取り出してよく読んでいた。兄貴の視線が、あの主人公に行く度に、ボクは内心でドキドキしていたものだ。

<つづく>