同性愛者の性長記録<13>

 ここで少し中学時代にまで時間を遡ることになる。

 今まで散々とアニメや漫画のキャラクターをおかずにしてきた恥ずかしい話ばかり書いていたが、ようやく実在の人間についても話をしていく。前にも書いた通り、性の目覚めとともにボクはアニメ雑誌を使ってアニメキャラクターをおかずにしてきたけど、実在の人間をおかずにしたのは、中学二年生になってからだ。それも初めて同性で好きになったN君と同じクラスになってからだった。もちろん具体的にN君の写真とかがある訳ではないので、全てボクの頭の中の妄想だけで処理してきた。しかし……色々と妄想するのも、なかなか体力というか精神力がいる。ロールプレイングゲームで言うところの性行為によって、HPとともにMPも同時に消費している感じだ。妄想するよりもアニメ雑誌とかある方が手軽だったので、おかずのメインはアニメ雑誌だった。それに学校に行けば、実在のN君と顔を合わせるわけで、罪悪感というものもあって気が引けていた時期もあった。

 なんだか書いてて……また恥ずかしくなってきた。

 さらに月日は流れて中学三年生になった。どこの中学校でも春先あたりに修学旅行というイベントがあると思う。そして修学旅行が終わってしばらくすると先生たちが旅行中に撮影した写真が学校の廊下に飾られた。飾られた写真の隅には番号が書いてあって、購入したい番号を用紙に記入して、先生にお金を渡せば写真が購入できるようになっていた。みんな自分が写っている写真を見つけては次々と用紙に番号を書いていった。
 
 ボクは写真が嫌いだった。

 自分の容姿に自信がないのもあって、写真を撮られるということ自体が嫌いだった。自信のない自分が写った写真をわざわざ購入して手元に置くのも億劫で、「もう買わなくてもいいか……」と放ったらかしていた。ただ買うつもりは無くなっていたけど、休み時間になると廊下に張り出された沢山の写真を見て時間を潰していた。そんな中、ある重大な事実に気がついた。

 重大な事実とは言っても、ここまで読まれた方はとっくに感づいている人もいるかと思うけど、貼り出された写真の中にはN君が写った写真が数多くあったのだ。

 N君の写真が欲しい……

 そう思ったけど色々と難題があった。ボクとN君は同じクラスだけど、修学旅行で行動する班が違っていたから一緒に写った写真が集合写真くらいしかなかったのだ。

<つづく>