ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

LGBTブームと気持ちの変化<2>

 そういば、あの本にもオリンピック前でLBGTがブームって書いてたっけ?

 特設コーナーの棚には小説やエッセーや雑誌や漫画本など沢山のLGBTに関する本が置いていた。今までこんな沢山の本を並べて特集しているのなんて見たことがなかったので少し感動していた。

 でもどうせ特設コーナーを作るなら、もっと1階や2階の目立つところにしてくれればいいのに……

 3階は専門書ばかりでお客が少なかった。しかもこの特設コーナーは医学関連の棚の近くにあった。なんだか今の日本では、ここまでがLGBTに対する受け入れの限界とも見れるようで残念だった。ボクは周囲に人がいないことを確認して棚から本を取り出した。以前からネットショップで見かけていて買おうか迷っていた本だった。パラパラとページをめくりながら立ち読みをしていると、ボクのそばを何人かの客が通り過ぎていった。棚の方をチラリと見る人はいるけど、みんな興味がないようで通り過ぎていった。ボクは顔を合わせないようにして本の内容を確認していた。それから次々と気になった本を手にとっては内容の確認をしていった。

 気がつくとスマホを取り出して、気になった本のタイトルをメモし始めていた。途中から夢中になっていて、他のお客が通り過ぎても気にならなくなっていた。ボクのすぐそばにはずっと女性の店員がいたんだけど、「この人ってゲイなのかな?」と思われることも気にならなくなっていた。

 もしかしたら……この中にボクの今後の人生のヒントが載ってるかもしれない!

 そう思ってボクは必死に気になる本を手にとっては読んでいた。かれこれ40分近くの時間が過ぎていた。そろそろ足も疲れたので、1階に降りようと棚から離れようとした時だった、ボクは壁に貼られている告知ポスターに目が向いた。
 
 あれ……LGBTのパレードがあるんだ。

 ポスターには福岡市内の冷泉公園でLGBTのパレードが開催されると書いてあった。

 行ってみようかな……

 そう思ってポスター開催日時を確認すると日付が11月5日と記載されていた。つまり4日前のイベントであることが分かった。既にイベントは終わっていたのだ。ボクは肩を落としながらエスカレータに向かって歩き出した。そして1階に降りようとしている時だった。ボクはある重大なことに気がついた。

 あれっ……さっきパレードに行こうって思ったよな?

 過去にもネットニュースで、福岡市内でLGBTのパレードをやるという記事を見たことがあった。でも「ボクには顔を出す勇気はないし関係がないよね」と思って無視していた。それなのに、さっきポスターを見た時に「行ってみようかな」と自然に考えていた。公園に行って輪の中に入る勇気は持てなくても、遠くからでも見てみたいと思っていた。少なくとも去年までのボクであったら全く見ない振りをしていた。自分の中で心境の変化がおきていることに気がついた。それに立ち読みしている時も、途中から変な視線で見られることにも気にならなくなっていた。
 
 ボクは大学生になってから、たった一人にしか自分がゲイであることを打ち明けていなかったんだけど、最近、これから出会う人にはカミングアウトしていってもいいかな?と思えるようになっていた。まだ確実な勇気は持てないけど、それでも少しづつそう思えるようになっていた。

 きっと自分がゲイであることの文章を書いたり、ゲイ関連の書籍や映画を見ているうちに、自分の中で状況の整理がついてきたのかもしれないな。

 なんだか自分が成長しているような気がして嬉しくてしょうがなかった。

 ボクは嬉しくて少し笑いながらエスカレーターを降りて書店を出た。ニヤけた顔をしているので、すれ違う人たちから不審そうに見られたけど、それでも嬉しくて笑うのを止めることができなかった。

<つづく>

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