ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

愛から遠く離れて<14>

 何であんな態度を取っておきながらこんなメールを送ってくるんだろ?

 ボクには彼が何を考えてるのか理解できなかった。でもただ一つだけ分かったことがある。彼にとってボクはただのセックスする相手の1人で、有料ハッテン場で乱交している人たちと変らないと言うことだ。彼と真面目に付き合っていきたいと考えていた自分のことが馬鹿みたいに思えてきた。

「君もさ……早く他の部屋に行って相手を探しなよ」

 ボクがあの言葉にどれだけ傷付けられたと思ってるんだ。彼の言葉や態度を思い出すだけで胸が締め付けられる気がした。ボクはメールの返信をすべきか迷っていた。でもメールには返信したところで感情的な文面になって、ロクなメールにならないような気がしていた。たった2ヶ月前まで一緒に寝ていた相手に対してボクは怒りの感情ばかりが募っていた。

 しばらくメールの返信をするべきか迷っていると、ボクの中で「怒り」に似た別の感情が湧き起こっきた。

 彼にもボクと同じような苦しみを味わせてやりたい。

 ボクは彼と最後に寝てからしばらく間、ずっと携帯を手元に置いて彼からメールが来ないか不安な気持ちで待っていた。彼にもボクと同じ苦しみを味わって欲しいと思った。ボクの中で湧き起こってきた別の感情は「復讐」だった。

 ボクは彼からのメールに返信しないことに決めた。

 ボクからメールの返信が来るのを待って彼が苦しめばいいと思っていた。もしかしたらただの遊び相手のボクからメールが来なかったところで彼は気にもしていないかもしれない。でもそれでもボクの気が済めばよかった。ボクは彼からのメールを削除した。

 それから1週間経った。大学の食堂で昼食していると携帯にメールが届いた。

久し振り! 今日の夜に逢えない?もし会うのが無理ならチャットでもしない?

 また、たかぽんさんからメールが来た。ボクはメールを読んでから返信をしないですぐに削除した。メールの文面だけでは分からなかったけど「少しはボクから返信がないことに苦しんでるんだろうか?」と思った。ボクは少しでも彼が苦しめばいいと思っていた。

 それから約1ヵ月後にまたメールが来た。

俺のこと覚えてる?たかぽんです。君に会いたいけど返信がないからもう駄目かな?

 ボクはメールを読んでから削除した。1ヶ月も経てば怒りも収まっていた。彼に会いたいという気持ちがないか?と問われれば、会いたい気持ちも少しは出て来た。でもここまで来たら最後まで復讐を完遂するつもりだった。メールを削除したのは、ただ当初の目的を達成するためにやっただけだった。

 そしてこのメールが彼からの最後のメールになった。ただ彼とはまだ縁があって続くことになる。

<つづく>