ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

現在進行形の同性恋愛<2>

 自部署に帰って仕事をしていると彼からメールが来た。ボクはメールの送信者の氏名を見て取り込んでいた作業を全て中断してメールの内容を確認した。彼のいる部署に新規システムの導入を進めている関係で、お互いに頻繁にメールのやり取りをしていた。彼から依頼された仕事は、どんなに緊急で重大な仕事よりも優先度が高く対応していた。きっと好きな人から仕事を依頼されたらみんな同じだよね? 

TO:神原様 お疲れ様です。古賀です。先程の会議の議事録を作成したので確認をお願いします。私も独身なんですけど、神原さんが犠牲になってくれるおかげで助かります(笑)

 彼からのメールにはこう書いてあった。

 ボクはパソコンの右下に表示されている時計を見た。まだ会議が終わって1時間半くらいしか経っていなかった。「相変わらず仕事が早いな」と思った。それからすぐに添付されたファイルを開いて議事録の内容を確認した。「よくここまで細かく書くよな〜」と思った。彼の何に対しても丁寧な性格がにじみ出ているような内容だった。

私も独身なんですけど、神原さんが犠牲になってくれるおかげで助かります(笑)

 ボクは最後の文面をニヤニヤしながら何度も読んでしまった。ふと視線を感じた方を見ると、同僚の高山君が怪訝な顔をしてボクの顔を見ていた。ただボクの怪しい行動は見慣れているようで「またか」という感じで首を傾げて自分の仕事に戻っていた。

「いや……古賀さんからメールが来てて、大した会議じゃないのに凄く細かく議事録が書いてて、そこまで書かなくてもいいんじゃないかと思ってね!」

 ボクはきまりが悪くて恥ずかしくて訊かれてもいないことを細く説明していた。男性の同僚からメールが来ている事情をうろたえて説明するなんて余計に怪しさが増すばかりだった。そんなうろたえているボクに対して高山君は冷やかすように言った。

「神原さんって古賀さんのこと大好きですもんね!」

 よく気がついてるなと思った。彼の指摘してる通りだった。高山君はボクよりも2歳年下なんだけど、いつも冷静に観察している。きっと同じ部署の中でボクがゲイであることに一番感づいているはずだ。いや感づいてるんじゃなくて確信してる気もする。きっとボクがカミングアウトしても「神原さんがゲイなのは気づいてました」と普通に言ってきそうだ。

「う〜ん。もし女に生まれてたら古賀さんと結婚してもいいけどね」

 えぇ〜と……自分でも答えた後になって思い返すと最悪な返答だったと思います。

「そういえば古賀さんって独身ですよね。年齢的にも性格的には結婚してておかしくないと思いますけど?」

 ちなみに高山君の方は20代中盤で結婚して既に子供が2人いた。

「そうだよね……」
 
 高山君の指摘は鋭くてボクもなんで古賀さんが結婚しないのか気になっていた。そしてある予感がしていた。ボクは再びパソコンの画面に向き直って彼のメールに返信することにした。

<つづく>