ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

同性愛者としての初体験<13>

 この後、回数は忘れてしまったけどボクとヒロト君とは何回か肉体関係を持った。一緒に遊んだりもした。

 この頃、ボクは思い出す。

 ヒロト君がゲイであることに気がついた日のこと。電車の中で彼からゲイであることを打ち明けられた日のこと。大学時代に再会した日のこと。

 そして彼が今どうしているのかを思う。

 今頃……ヒロト君は何をしてるんだろう?

 どこかで男性の相方を見つけただろうか? 

 それとも女性と結婚したんだろうか?
 
 気になってFacebookやtwitterなどで彼の足跡を探してみたけど、どこにも彼の足跡はなかった。

 そしてこう思う。

 なんでこの時にヒロト君との関係を続けなかったんだろう?

 彼が少なからずボクに対して好意を持ってくれているのに気がついていた。でもボクは彼に対して何の興味を持っていなかった。大学時代のボクが彼との関係を続ける意志がなかった。大学を卒業しても彼からメールが来たけど、ボクはあまり気に留めずに適当に返信していた。そしてある日、携帯電話を変えた際に彼に番号やアドレスの変更を連絡しなかった。

 出会い系の掲示板や有料ハッテン場で出会った人たちは、同じ「ゲイ」ではあるけど、ボクは彼がどんな人たちなのか全く分からない。どんな性格でどんな過去を生きてきてどんな食べ物が好きなのか知らない。過去が全く欠落している。「ゲイ」という同じ共通があっても、そんな状態なら短期的な関係はともかく長期的な関係を築き上げるには難しい。

 それにひきかえ彼とボクは同じ高校時代という人生を共有してきた。

 ボクは彼がどんな人間なのか知っていたし彼も同様だった。彼はボクがどういう人間なのか知った上で好意を示してくれていた。もしボクが本気で彼と付き合うという意思さえ示していれば、きっと状況は違っていたと思う。今更になって虫のいい話だと思けど、でも大学時代のボクは彼から好意を示されても恥かしさなのか若さなのか、深く考えることをしていなかった。大人になった今なら、きっと彼に対して本気で向き合えると思う。

 昨年の年末に実家に帰って高校の卒業アルバムを開いてみた。

 卒業アルバムの最後のページには生徒の住所が書いてあった。そのページを見ながら何度か彼の家に電話しようと思った。でも勇気が出なかった。それに大学を卒業してから、もう長い年月が経っていた。高校時代に同じ人生を共有していたといっても、もうそれも無くなったに等しい状態になっていた。

 ボクは悔しくてたまらない。

 もう一度人生をやり直せるなら、高校時代に彼がゲイが知った時に戻りたい。電車の中で彼からゲイであることを打ち明けられた時に戻りたい。それに奇跡のような大学時代の再会した時に戻りたい。

 ヒロト君に会いたい。

 もう会ってもどうしようもないとは分かってるんだけどボクは彼に会いたい。

<終わり>