ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

ゲイブログを書く前後<10>

 この3つ目の歯車の件だけど、ここに書くべきか迷っている。

 ボク自身が腑に落ちていないところもあって、あまりに漠然としていて、きっと読んでいてもそんなに面白くないと思ったからだ。こうやって文章を書いている今も書くべきなのか迷いながら書いている。ただこの日を境に文章を書くことを決めたのは事実だから、淡々とその事実を書いていくことにする。

 2016年11月27日のことは今でも鮮明に覚えている。

 この日は日曜日で福岡の街は雨が降っていた。ボクは前日の11月26日に引越しをしていた。ただ引越したと言っても大して距離が離れているわけではない。歩いて20分くらい離れた隣町に引っ越しただけだ。大して荷物もないから、前日の夜に引っ越して翌日の昼には片付けも終わっていた。

 ボクは8月末くらいから11月27日に予定を入れていた。引越しを決めたのは10月になってからで、まさか予定が入っている11月27日の前日にバタバタと引越しをすることになるとは思ってもみなかった。

 ただ引越しをしたことで、これから新しい人生を始めるような気分になっていた。

 11月27日の昼頃に引越しの荷物の片付けが終わってから、ボクは電車に乗って天神に向かった。西鉄天神駅で降りて喫茶店で本を読んで時間を調整してから、歩いて薬院にあるライブハウスに向かった。

 この日、関東から来た男性歌手のライブがあった。

 ボクよりも1歳ほど年上の男性だった。別にファンという訳でもなかった。その人の曲はライブを予約する8月末までは、ただ一曲しか知らなかった。その一曲も10年近く前に、たまたまNHK-AMのラジオでデビュー曲として2ヶ月間くらい続けて流されていて、仕事から帰ってラジオをつけたら、たまたまその曲が流れている時間が重なっていた。

 別にCDを買った訳でもなかった。その歌手の顔すら知らなかった。なんとなく名前を覚えていたけど、すぐに忘れてしまった。ただそのラジオで流れていた歌の曲名と、歌詞だけは覚えていた。
 
 ボクはブログを削除した後、もう自分が書きたいと思ったような文章を書くのは無理だと思っていた。それまでの10年を同じように、これから先の10年も同じようにただ何かが起こるのを、誰かが現れるのを待って生きていくんだろうと思っていた。

 なんとなくそう思って街を歩いている時、10年近く前に社会人になって仕事ばかりしていた時に耳にしていた、あの曲の歌詞が急に頭をよぎった。そして久しぶりに聴いてみたくなった。

 そういえばあの歌手は今頃何をしてるんだろう……

 10年近く経ってもあの曲以外は、耳にしたことが全くないからとっくに歌手活動をやめていたかと思っていた。

 曲名を頼りにwikiなどネットで調べてみると、驚いたことにまだ歌手として活動をしていた。10年近く経って、ボクはようやく歌手の名前と顔を認識した。デビューは2006年で2011年で喉が壊して活動を休止。2013年から活動再開。ちょうどデビューして10年後の2016年に僕と再会することになるとは思わなかった。『ボクの彼氏はどこにいる?』も発売されて10年経って、初めてボクと出会うことになった。なんとなく運命的な出会いのような気がした。

 久々にデビュー曲を聴いて、他にもyoutubeにアップされた他の歌を聴いていた。

 なんとなく何かが心の中にひっかかっていた。

 それからその歌手のホームページをなんとなく見ている時だった。その人が11月27日に福岡のライブに来ることがちょうど発表されて、チケットの予約が始まる直前だった。過去のライブ活動を確認すると関東地方を中心に活動していたので、福岡に来ることは全くなかった。

 ボクは吸い寄せられるようにライブの予約をしていた。

 まさかこの人のライブに行って帰り道には、もう一回文章を書いてみようという気持ちになるとは思ってもいなかった。
 
<つづく>