ゲイブログを書く前後<30>

 長々と書いてきたけど、ここまでがゲイブログを書き始める前に起こったこと。ゲイブログを書き始めた後に起こったこと。

 色んなことがあって、このサイトを始めた。そして色んなことがあって、このサイトを1年間続けられた。

 去年の11月から文章を書く時に一番変わったことは、突然に書きたいという衝動が沸き起こってきて抑えられなくなってしまって、まるで何かに書かされているかのように文書を書き始めたことかもしれない。書き終わった後に読み返すと、自分が書いている文章ではないように感じられることが多々ある。それまでは、何をどこまで書くのかをもっと計画的に決めて書いていたけど、今はパソコンの前に座って、どこまで書くのかも決めずに書き始めて気がついたら、こうなっていたという状態だ。

 このサイトで文章を書き始めた最初の目的どおりに、ボクはまだ自分の「過去」について書き続けるつもりだ。それからゲイとして生きている人たちのために「現在」についても書き続けるつもりだ。さらに自分のために「未来」についても書くつもりだ。

 もし……書き続けることでボクが誰なのか、そしてゲイであることが周囲に知られてしまうようなことがあっても、それはそれでいいやとも思えるようになった。決して投げやりな気持ちになっているのではなくて、とても怖いけど、ボクにとっては中学時代や高校時代に戻るだけのことだから。きっと一人でも理解してくれる人がいれば、なんとか生きていけると思う。

 ボクはまだ石川大我さんの『ボクの彼氏はどこにいる?』と始めて出会った時に感じたように、ゲイ仲間の人たちが書いた文章をもっと読んでみたい。その人がどんなことに悩んで、どんな道を選択してきたのかを赤裸々に綴った文章を読んでみたいと思っている。自分で書くのもいいけど、やっぱり他の人が書いた文章も読んでみたい。

『ボクの彼氏はどこにいる?』や『ゲイ・カルチャーの未来へ』を読んで影響を受けたように、ゲイの仲間たちが書いた文章を読んで影響を受けたように、誰かがボクの書いた文章に影響を受けてゲイブログを始めて、ボクの読みたいと思うような文章を書いてくれないかと期待している。もっと沢山の人がゲイブログを書き始めてくれないかと期待している。別に文章だけに限らなくてもいい。小説でも漫画でも何でもいいから、もっとゲイの当事者が発信していって欲しい。

 ボクがchuckさんやヤシュウさんや高橋さんに背中を押してもらったように、ボクも誰かの背中を押してあげることができるのかな?

 昔のボクだったら「誰も影響を受けてもらえなくてもそれはそれでいいや」と他人事のように思っていたけど、今は「誰かの背中を押してあげなくちゃ」と思って文章を書いてる。

 1年間、毎日サイトの更新してきて、これだけは確実に言えることがある。

 このサイトを始めてよかった。毎日、誰かが現れるのを待ち続けて、何かが起こるのを待ち続けているだけの人生じゃなくなったから。

 これからどんな出会いがあるんだろう……

「ゲイブロガ仲間との出会い」があった。「影響を受けるような本との出会い」があった。どちらもこのサイトで文章を書き始めていなかったら出会うことがなかったはずだ。

 この先どうなるのか全く見当もつかないけど、もっと楽しみながら文章を書き続けていこうと思う。もっと楽しみながら行動し続けていこうと思う。

 そうしたらきっと、

「そう遠くない未来に、ゲイの姿のままで誰かと出会うことができるかもしれない」

 最後にこの言葉を「言霊」に託して終わりにする。読んでくれてありがとう。

<終わり>