ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

ゲイとして生きる居場所を築くこと<後編>

昨日の話の続きを書きます。


 ここからの文章は、東京などの「都会」と「地方」とで多少状況が違うと思うけど書き進めて行く。

 ボクは福岡に住んでいるけど、福岡市からは離れた場所に住んでいる。「都会」に足を伸ばすことはできるけど気軽に通うこともできずに、どちらかというと「地方」に属しているような状態で中途半端な立場にある。

 このサイトを書き始めてしばらくは「地方」のゲイ向けの出会い系の掲示板を頻繁に確認していた。この場合の「地方」とは、福岡市のような「都会」ではない周辺の「地方」の掲示板にあたる。でも頻繁に確認はしていたけど自分で書き込みをしたことは一度もなかった。その掲示板を見ていてふと思ったことがある。

 またこの人が書いてるのか……

 2週間も見ていたら、大体10人前後の人たちが頻繁に書き込みをしている状況なのが分かってきた。みんな書き込みの内容も同じようなもので、「セックス相手の募集」をしている書き込みばかりだった。真面目に付き合える「恋人募集」の書き込みもたまにあって、「真面目に付き合える裏切らない人を募集してます」とか書いてあったんだけど、「お前、◯◯◯(有料ハッテン場の店名)に頻繁に通ってるくせに裏切らない人を募集とか書くなよ!」とコメントがついていて、投稿自体が消されたりする。たまに出張中のサラリーマンや旅行者が書き込みをすることがあるけど「セックス相手募集」の書き込みだ。結局、ほぼ同じメンツが書き込みを繰り返していた。この文章を書こうと思って、さっき久しぶりに掲示板を見たけど、相変わらず当時と同じメンツが書き込みをしているようだ。以前、見たようなハンドルネームとプロフィールが目についた。ボクは書き込みをしている人たちを馬鹿にするつもりはない。全ての人ではないだろうけど、きっと真剣に付き合えるような関係を築きたいと願いを込めて書き込みをしている人がいるのを知っているから。ボク自身がそうだった。
 
「地方」では有料ハッテン場でも似たような状況が起こっている。ボクは1年間で冬の季節に2回〜3回行くかどうかだけど、店内で声をかけられて見知らぬ人と雑談していると「あの人は毎週来てるよ」「あの人とは2回ほどヤッた」「あの人はタチだよ」「あの人は若専」「あの人は誰でも手を出すよ」と、わざわざ説明してくれる人がよくいる。

 どれだけ同じ人が頻繁に通ってるんだよ……

 話を聴きながら驚いてしまう。そして多くの人達が時間を潰すためにゲイアプリを立ち上げて誰かと会話している。ボクは有料ハッテン場に通う人たちを馬鹿にするつもりはない。全ての人ではないだろうけど、きっと真剣に付き合えるような関係を築きたいと願いを込めて通っている人がいるのを知っているから。ボク自身がそうだった。

 それらで出会った多くのゲイの人たちが「ゲイ同士の関係って長続きしないから」と嘆いている。

「ゲイ同士の人間関係は肉体関係ありき」

 ボク自身が大学時代から経験してきて感じてきたことだ。他のゲイの人たちも似たような思いは持っていると思う。

 でもみんな正直に言って、ウンザリしているよね? 

 また……あの人が書き込みしている。

 また……あの人が店にきている。

 東京のような人口の多い都会に住んでいるゲイの人たちの状況は分からないけど、地方に住んでいるゲイの人たちは同じような状況なんじゃないだろうか?

『しまなみ誰そ彼』というゲイの主人公が登場する漫画本がある。その漫画の中で、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダー、アセクシャルなどの登場人物(本当は、そんなに単純な言葉で人を区別できるとは思っていないけど、ここであえて使わせてもらう)が集まっている「談話室」という場所がある。特に義務付けされている訳でもなく、暇な時に気が向いたら寄って集まれるような場所。別にLGBTの関係者に限って集まる場所ではない。最近は、小さい子供も通うようになっている。
 
 理想論的な子供ぽい意見に思えるけど、こういった場所がゲイの人たちにも必要なんじゃないだろうか?と思う。

 ところでこの漫画本のゲイの主人公は、「談話室」とは別に新しくリフォーム中の建物を、どんな場所にするのか決めるように任されている。ボクは主人公が、どんな場所にするのか、かなり関心があって漫画本を読んでいる。恐らく……主人公が「談話室」に続く、リフォーム中の新しい建物をどういった場所にするのか決める所で最終回になるんだろうな……と漠然と思っている。福岡市内で活動しているNPOが、「談話室」と似たような場所を提供しているみたいだから、近いうちに行ってみようと思う。

 たまたま出会ったゲイ同士が、『僕たちのカラフルな毎日』の著者のように、同じ地元で同じ高校出身というような偶然がそうそう起こる訳もなく、過去を共有するものがないのは仕方がない。じゃあ……これから徐々に時間を共有してお互いがどんな人間なのか、時間をかけて知っていくような場所が必要なんじゃないだろうか?と思う。別に恋愛関係にはならなくても、長期的に一緒に生きる人間関係が出来るのでは?と思う。ボクは新宿2丁目界隈の状況は知らないけど、少なくとも「地方」に住むゲイの人たちには、なかなかそんな場所が存在しないのではないだろうか?

「ゲイ同士の人間関係は肉体関係ありき」

 多くのゲイの人たちが、そう思って諦めている。ボクも同じように諦めていた。でも……このサイトで文章を書き始めた影響なのか、ボクはまだ諦めたくないと思えるようになってきた。さっきから書いている内容も、子供ぽい意見だと分かって書いている。でもボクは諦めたくない。

 だから……ボクはもう

 ゲイ向けの出会い系の掲示板を書くこともないと思う。

 ゲイアプリを通して誰かとやりとりすることもないと思う。

 有料ハッテン場に行くこともないと思う。

 もうボクはそういった手段や場所で誰かと出会いたいとは思えなくなってしまった。 

 そして……ここまでカッコいいことを書いておきながら、ゲイ動画を見ながら、独りで慰めの糧にするのである。