ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

LGBTシンポジウム参加レポ<7>

ーーー永田 龍太郎氏の講演が続く。

よくある問い合わせで、

「パートナーシップ証明書を取得すると、戸籍や住民票に何か記載されるんですか?」と訊かれます。

「申し訳ありません。区の取り組みなのでございません」と返答すると、

「それはよかったです」と言われるケースが多くありました。

「何のメリットがないのに何故よかったのかな?」と、最初は疑問に思っていたのですが、何度も電話を頂戴するうちに分かって来ました。一緒に添い遂げて行こうと誓い合った二人でさえも、社会的暴露に関するリスクを非常に懸念されていることが分かって来ました。

 住民票を職場に提出することがあるかもしれません。もしくは家族が住民票の写しを取ることがあります。そういった近しい仲にも知られたくない人がとても多いことが分かってきました。パートナーシップ制度を始めることが、社会の理解を深める起爆剤になることを期待していましたが、これではまだダメなんだ。地域社会の空気を変えていかなくてはならないと気づいて振り出しに戻るという課題に、今は直面しています。

 またパートナーシップ制度は、同性愛者でパートナーがいて、一生を誓い合っている関係を築いているなど、LGBTの一部しか受益を受けることができません。ほとんどの性的マイノリティの方々にはメリットがありません。そういった現状を踏まえて社会の空気を変えようと取り組んでいます。その始まりが「アライ」と呼ばれるものです。

 LGBTの人たちが生きやすい社会になって欲しいと思っている人たちを「アライ」と言います。主にはLGBTじゃない、非当事者の方を指していると思われがちですが、私は自分以外のLGBTが生きやすい社会になって欲しいと思っている人たちもアライだと思っています。私はゲイですがレズビアンのアライであり、トランスジェンダーのアライであり、それ以外の性的少数者のアライでありたいと思っています。

 アライ=Ally=支援者

 見えないマイノリティと言われるLGBTですが、同じようにアライも見えにくい状態になっています。なので、そこをどう見える化していくかということで、性は多様だということを意味する、6色のレインボーを虹に表して、世界的に性的マイノリティを表すモチーフになっています。このレインボーグッズを小さいところからでも、どこかで見える化していき、街中でも学校でも職場でも掲げることで、少しでも生きやすさを感じてもらい、性差別を許さないという空気を作っていくきっかけになっていくのではないかな?と思っています。

最後になりますが、まずは自身の多様性から気づくことを始めてみませんか?あなたも多様な性を持っている人のひとり(SOGI)なんですよと気づくことから始めてみませんか?それから見えないマイノリティと言われるLGBTですが、あらゆる差別にNO!を言うことで、是非みなさんアライになってみませんか?LGBTの一番の課題は社会資源のアクセシビリティの問題です。単純に行政サービスの話だけではなく、地域社会全体の課題になります。

ーーーここまでが永田 龍太郎氏の講演

 ここで前半部が終了して10分間の休憩に入った。

 よくよく考えていると、ボクはLGBTの当事者なのに、今までこういったLGBTに関する講習を全く受けたことがなかった。何冊かLGBTに関する基礎知識が書かれた本を読んだことはあったけど、このシンポジウムで初めてLGBTの基礎知識に関する体型的な説明を受けた。今の子供達が使っている教科書にはLGBTが取り上げられているものもあるみたいだけど、ボクの子供の時代には皆無だった。誰も説明なんてしてくれる人はいなかった。勇気を出してシンポジウムに来たけど、この説明を受けただけでも来た甲斐があったと思う。

 席を立って周囲を見渡していると、少し離れた席に座っているボクより3歳くらい年下の男性と目が合った。男性の出席者で40歳以下の人はとても少なくて、何人かいたけど会場では少し浮いていた。その男性が、じっとボクの方を見ていることに気がついた。ボクは無視して入り口に行って展示パネルを写真に撮っていた。ふと気がつくと、さっき目が合った男性が隣に立って一緒にパネルを見ていた。その時もじっと目があった。

 この人……きっとボクと同じゲイなんじゃないだろうか?

 ボクは目を逸らしながらそう感じていた。会話をしなくても視線で感じてしまった。それは有料ハッテン場で飛び交っている視線に似ていたからだ。ボクらはそのまましばらく並んでパネルを見ていた。なんとなく隣に立っている人も「この隣の人はゲイなんじゃないだろうか?」と感じているような気がした。それから数分の間、特に長い文章が書かれた訳でもないパネルを一緒に並んで見ていた。そのまま休憩時間が終わりに近づいたので、ボクらは別々の席に戻った。

ーーー後半のパネルディスカッションに続く。

<つづく>