ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

LGBTシンポジウム参加レポ<9>

ーーーパネルディスカッションの続き

●株式会社 三好不動産 社長室 執行役員 松本茂規氏


 三好不動産の「LGBTの部屋探し」の取り組みついてお話したいと思います。

    弊社は1951年に設立した会社で、今年で67歳です。従業員が396名となっていますが、グループ会社全体では約700名います。弊社は不動産の賃貸管理会社としてスタートしましたので、管理戸数が会社の規模を表す数字となります。それが3万2千123戸になります。福岡市の民間の貸家戸数が、37万4千695戸なので、大体8パーセントから9パーセントのシェアというところです。

 主な事業内容は大きく分けると4つになります。1つはお部屋探しで、貸したい、借りたいというお客様に対して仲介を行う「賃貸仲介」。それと先ほど申し上げた「賃貸管理」で、大家さんに代わって家賃を集めたり入居後のお困りごとの対応をしたり、退去の後に次の入居者が入るまでの、現状回復工事をクロスを張り替えたりなどの工事の手配。そういったことを一元としてやらせていただくことが「賃貸管理」なります。それともう一つは賃貸仲介の売り買いの間に入ってお世話する「売買仲介」。それと最近は相続の相談について「資産管理」として事業に取り組んでいます。グループ全体で700名いると申し上げましたが、グループ会社が17社あります。後ほど説明しますが、「ニッポンインシュア」という会社が「家賃保証」の会社で、LGBTの方の部屋探しの取り組みには一つのキーになっています。

 まずは我々がLGBTに関して取り組む背景ですが、我々の企業姿勢として「快適な住環境の提供」という基本姿勢があります。もちろん企業ですからビジネスとして成り立たないといけないのですが、お陰様である程度の規模で仕事をやらせてもらっていますので、いろんな取り組みを我々が率先してやろうと、その中の軸として「快適な住環境の提供」というのを誠実にやっていこうということで、先ほど登壇された三浦さんから話を聞いて、是非我々がやっていこうという話になりました。

 LGBTの方の不動産賃貸の契約の難しさを流れで説明します。

 まず1DKなどの1ルームは2人入居は難しいです。よく同性カップルは1DKなどの1ルームで生活していますが、ほぼ内緒で住んでるんですね。基本的に1ルームは2人入居は審査に通らないんですよ。これはいろいろな事情があるのですが、一つの部屋を2人が住むことによって、設備の劣化が激しいとか、もともと一人暮らし用で作られた部屋なので、そもそもの2人入居が難しいなどの様々な事情があります。同性カップルの場合は、関係を打ち明けられない。打ち明けたくないのに、審査でいろんなことを話さなければなりません。そもそも審査では2人の関係など赤裸々に話さなければならないので、話す側も非常に困難で、我々受け入れる側も理解していないといけない状況でした。そう言っても男女カップルや女性同士だったら意外とOKだったりするんですよね。なぜ男性同士ではダメなのか?それともう一つは隠した事実が発覚した際に保険適用の問題があります。家族プランや単身プランという形で保険をかけているのに、事故の原因が同居している人が原因の場合、保険が単身プランだったら、すんなり保険適用がうまく行かなかったりします。こういった事情があって、不動産賃貸契約そのものが難しいと思われています。

 賃貸契約の流れの中で同性カップルにとって難しい点がいくつかあります。まず賃貸を契約する際、雑誌などを見て「この部屋に住みたい」という問い合わせがあります。いざ来店の時に、もともと不動産会社って店舗に入りにくいと思いませんか? 不動産屋というとダーティーなイメージが多いせいもありますが、同性カップルの方は店舗に入りにくいです。物件選定をするときに二人入居可能な物件が意外と少ないです。特に男性同士です。あと同性カップルの場合、連帯保証人を頼めないと背景があるようです。いざ入居する時にも、我々は身分証の提示を求めますし、最近でこそ取り組みを初めていますが、性別を書くのに抵抗があるとか、あと家賃保証会社と連帯保証人の2つがいる場合があるのですが、連帯保証が必要な時もなかなか頼める人がいない。入居審査の時にも二人の関係を根掘り葉掘り訊かれたりする。「正直に言うと断れるんじゃないだろうか?」そんな心理が働くようです。

 それで我々が取り組んだことは、まず社員研修をして正しい知識を身につけることを始めようとしました。そして安心して相談できるようにLGBTに対応できる店舗を1つ設置しました。たまたま社員がやりますと手を上げてくれた後押しもありますが、その店舗で受け付けできる体制づくりを始めました。取り組みとしては店舗にレインボーマークを貼ったり、「是非LGBTの方はこの店舗にお越しください」とSNSで発信してきました。それから就業規則の追加をしました。これは社員研修の正しい知識を身につけることにもつながりますが、セクハラやパワハラを禁止する就業規則があったのですが、LGBTに関する規則がないので、そのあたりも禁止事項に入れています。昇格昇給についても、それを理由に拒むことはないと明確にしました。福利厚生面では配偶者手当がありますが、パートナーシップ制度ができれば、配偶者手当に準ずるものも作っていけたらいいなと思っています。

 それから我々は管理会社です。二人入居可能な物件は、他の不動産会社よりも断然、紹介しやすいと思います。普段からオーナーと話す機会も多いので、オーナーに対する理解も他の会社よりも求めやすいんじゃないかなと思います。それから家賃保証会社との連携ですが、グループ会社に家賃保証会社があることで、LGBTの説明がスムーズなんですね。家賃保証会社も同じようにLGBTに関する社員研修を受けていますし、当社の取り組みはグループ全体で理解してもらっていますので、家賃保証会社がスムーズにいくと、ほぼ入居は可能となります。そういったことを取り組んでまいりました。

 今後に向けては、一民企業がやれることは限界があります。引き続き社員研修は継続していきますし、現在は博多駅前店の1店だけでLGBTの対応をしていますが、これをいずれは全店舗でもスムーズに対応ができるような体制づくりをしていきたいと思います。例えば相談しやすいカウンターを作るなど、さらに店舗に来られなくても現地で直接待ち合わせをして不動産の相談がしやすいようなスキームをこれから作っていきたいと思っています。それと不動産会社なので賃貸の売買以外にも、相続や保険など、いろんなことに取り組んでいますので、賃貸以外においても相談可能な体制づくりを、これから作っていきたいと思っています。

ーーーここまでのボクの感想を書く

 もはや……議事録のような章になっていますが、今後もしばらく続きます。もともとLGBTのシンポジウムがどんな流れで進められて、どんな内容の話をしているのかを、ボクのサイトを読んでくださっている皆さんに紹介する目的で文章を書いています。文章を書いていて、「これは……どうなんだろう」と気になる発言も多々あるのですが、シンポジウムの内容を、そのまま聞き取れた範囲で書いていきます。

<つづく>