ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

ゲイ集う成人映画館の手記<2>

「京都ハッテン場ガイド」というホームページに関して、書かなくてはいけない話がある。いつか書こうと思っていたのだけれど、この機会に書くことにする。

 あれは大学2年の秋から冬の間のことだった。ボクは「京都ハッテン場ガイド」というホームページに出会って、まさに京都市内のハッテン場を巡り歩いていた時期のことだった。

 今まで全く知らなかった「ゲイの世界」の一面を「京都ハッテン場ガイド」は教えてくれた。とても大切なホームページだった。

 ハッテン場のどこが出会いのスポットなのか写真付きで解説してくれた。

 ハッテン場でどんなことを経験したのか体験談も書いてくれていた。

 ボクは毎日のようにホームページを見ていた。突然にホームページが消されてもいいように、自分のパソコンにWEBページを保管していたくらいだった。今までゲイ関連のホームページを数多く見てきたけれど、「京都ハッテン場ガイド」ほど衝撃を与えてくれたホームページはない。

 ボクの大学時代のゲイ活動の根本には、いつも「京都ハッテン場ガイド」の存在があった。

 あの日、ボクは四条河原町であったサークルの飲み会が終わって、歩いて「河原町通」を北に向かっていた。京都市内を横につきぬけている「御池通」を通り過ぎて、「丸太町通」までやってきた。そして左に曲がって「丸太町通」に面している「●都●所」にやってきた。夜の「●都●所」は人気もなくて静まりかえっていた。ボクは酔い冷ましに自販機で買った水を飲みながら、トイレ前のベンチに座って夜空を眺めていた。

 わざわざ夜空を眺めるために「●都●所」まで来たのではない。恐れ多くも「●都●所」は野外のハッテン場のスポットでもあるのだ。

 ボクはこの時期、誰か話し相手になってくれるゲイの友達が欲しくて、ゲイ仲間に出会える場所に訪れていた。ただ「●都●所」に来るゲイの人たちは年齢層が比較的に高いようで、大して期待してはいなかった。過去にも2度くらい来たことがあって、どの人もボクの父親よりも年上の人ばかりだった。

 今日は誰も来ないなー

 時刻は0時を過ぎていて、ベンチに座って両足をフラフラとバタつかせて暇つぶしをしていた。「もう帰ろうかな?」と思っていると、微かに遠くの方から砂利を踏む足音が聞こえてきた。

 あっ……誰か来た。

 足音がする方を見ると、背が高く体格のいい男性が歩いてきた。「いつも来る人たちよりも若い感じの人だな」とシルエットを見ただけで分かった。ボクは慌てて下の方を向いて目が合わないようにした。その人は、ボクの近くまで歩いて来て立ちどまった。それから周囲を見渡した後、隣のベンチに座った。

 どんな感じの人なのかな……

 ボクはドキドキしながら相手の反応を待った。でも相手の方は何の動きもなかった。ただ自分の方を見ていると気配で察することはできた。隣の席の人の動きがなかったので、ボクは恐る恐る顔を上げて見た。すると隣の席の人も、真正面からボクの方を見ていてバッチリと目が合ってしまった。目があった瞬間に、同じゲイ仲間だと確信が持てた。年齢は30代から40代くらいだと思った。目があうと隣の男性は少しボクのベンチの方に体を移動して来た。

 ボクは思わず喋りかけてしまった。

「あっ……あの……ここって。そういう場所なんですよね!」

 急に話かけられて相手の男性も「えっ?」と驚いて戸惑っていた。

「そうだよ」
「いや……ボクもそっちなんですけど、どういった場所なのかな〜って、いろいろと京都市内の『こういう所』を散策してるんですよ」

 話が間接的でまどろこしいけど、「ボクはゲイだから京都市内のハッテン場のことが気になっていて散策してるんですよ」という意味だ。

 隣に座っている男性は、ゲイ同士の経験が少ないと理解してくれたようで、そのまま話し相手になってくれた。ボクは次々と「ゲイの世界」について質問をしていた。その人は優しく質問に答えてくれた。

「で……いろいろと京都市内のハッテン場を回ってるんですよ」
「へぇ……」
「えっと……パソコンで見てるんですけど、『京都ハッテン場ガイド』ってホームページがあるんですよ。京都市内ハッテン場をまとめたサイトで、そのサイトを見て市内のハッテン場を散策してるんですよ。それで『●都●所』がハッテン場だって知ったから来たんですよ」

 ボクの言葉を聞いて、なぜか隣の男性は一瞬だけ「ビクッ」と体を震わせた。ボクは「あれっ?」と、おかしな反応に疑問を感じた。

<つづく>