ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

ゲイ集う成人映画館の手記<4>

 きっと一回会っただけの大学生なんて覚えてないですよね。

 でも、「もう一回だけ、偶然にMugenさんと出会ったことがある」と言えば思い出してくれるかもしれません。

 Mugenさんと●都●所で出会ってから数ヶ月後、ボクはやっぱりまだ京都市内の野外のハッテン場をうろうろと散策していた。そして西●極のハッテン場に行ってみた。西●極というとマラソンで有名な場所だと思う。

「京都ハッテン場ガイド」では、●都●所よりも比較的に若い人が集まる場所と書いてあった。ボクは夜中の22時過ぎに原付に乗って出かけた。同じ京都市内なのに、ボクが住んでいるところから西●極までは、それなりに離れていて原付でも30分以上かかった。

 西●極の入り口の駐輪場に原付を停めてから入ると、どこかの大学の吹奏楽部のメンバーが演奏の練習をしていた。それに阪急電車の駅から降りてきたサラリーマンや、塾帰りの学生たちが西●極を横切って、それぞれの家に向かっていた。

 どこにゲイの人がいるんだろう……

「京都ハッテン場ガイド」の文面を思い出しながら西●極を歩き回った。そしてようやく目的のスポットにたどり着いた。

 西●極も他の野外のハッテン場と同じように公衆トイレがスポットだった。そしてボクの目の前には、特に何の特徴もない普通の公衆トイレがあった。

 ふと公衆トイレ前のベンチに目を向けると、なぜか不自然なくらいに沢山の人がベンチに座っていた。

 もしかして……この人たちってみんなゲイなのかな?

 遠くから見ても体を鍛えていたり顎髭あったりと、「なんとなくゲイぽい外見の人たちだな?」と思った。ボクは恐る恐るベンチに向かって歩いた。トイレとベンチの間の通りは街灯があって明るかった。ベンチに向かうボクの前を塾帰りの学生たちがぞろぞろと歩いていった。

 ただ通りが明るい反面、ベンチの方は影になっていて、なんだか陰気臭い雰囲気が漂っていた。ボクは薄暗いベンチに近づいて、暗がりになっているベンチの奥の方に目を凝らして見た。

 えっ???? えっ〜〜〜〜〜えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 ベンチの奥に潜む光景を見て、ボクは言葉を失ってしまった。薄暗い中に6人ほど座っているのが確認できた。確実に6人ともゲイだと分かった。でもそれはどうでもいい! そんなのは些細なことで本当にどうでもいい!

 ボクはベンチに座らないで慌ててその場から立ち去った。ボクが遠ざかっていく公衆トイレとベンチに向かって、逆に塾帰りの女子学生たちが笑いながら自転車を押して歩いていった。ボクはさっきベンチで見た「ある物」の存在に、女性たちが向かっていることに驚いていた。

 きっとベンチの前を歩いただけでは、ベンチ奥に潜む光景までは気がつかないだろう。見るからに怪しそうな人がたむろしているベンチに近づいていって、わざわざ奥の方を見るなんて勇気のある人はいないと思う。後ろを振り返ると、さっきすれ違った女子学生たちは、ベンチ奥の光景を見ることなく通り過ぎていた。
 
 見つからなくて良かった。

 そう思う反面、「こんなことしていいのか?」という思いが錯綜していた。

 とにかくボクは関係がないからね!
 
 ボクはそのまま西●極の隣にある、京都アク●リーナの入り口まで歩き、ようやく立ち止まった。それからさっき見た光景を頭の中で整理していた。

 それにしても……なんてリスクを冒してるんだろう……

 ベンチの奥に潜んでいた光景。

 ボクの目の先には「全裸の男性」がいた。

 そして全裸の男性の股間の前にしゃがんでいる人がいた。その人が何をしていたのかまでは書かなくても分かると思う。

 ボクはこの日初めて野外で全裸になっている人を見た。

<つづく>