ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

LGBTシンポジウム参加レポ<14>

ーーーディスカッションの続き

●コーディネーター
Rainbow Soup(レインボースープ)代表 五十嵐ゆり

●パネリスト
渋谷区総務部男女平等・ダイバーシティ推進担当課長 永田 龍太郎
九州レインボープライド代表 三浦暢久(あなたの のぶゑ)
福岡県弁護士会 LGBT小委員会 LGBT小委員長 石田光史
株式会社 三好不動産 社長室 執行役員 松本茂規

→五十嵐氏

 パレードなどいろいろ取り組みが広がっておられますが、三浦さんは何か難しいと感じたことはありますか?

→三浦氏

 3年前からパレードを引き継ぐ形でやらせてもらっていますが、大変だと思うのが、いろんな企業をまわらせていただく中で、福岡においては企業のLGBTに対する意識が、全く盛り上がっていない現状があります。3年前にパレードを引き継ぐ形で始めた時は、恐らく千人も集まらないのではないか言われるぐらいでした。「止めた方がいいんじゃないの?」と周囲から言われていましたが、「それでもやる」という気持ちで続けて、少しづつ仲間が増えていって開催ができました。

 やはり企業のLGBTに対する意識が、なかなか深まらないことによって話が進まないと、毎年のように感じています。昨年、ある経済団体が出したデータの中で、福岡県内における企業のLGBTへの取り組みは「0.7パーセント」でした。取り組みを検討している企業は「8パーセント」でした。とても少ない数字が出ていました。「まだまだ福岡は、こんな現状なんだ」と思いつつ、これは私たちの一つの課題だと思いながら活動させていただいております。

→五十嵐氏

 ありがとうございます。そろそろ時間が来ましたので、終盤の質問に入らせていただきます。

 4月から福岡市の取り組みが始まりますが、「福岡市の取り組みに期待すること」。その取り組みの中での「ご自身の立場や役割について」、どう感じてらっしゃいますか?

→石田氏

 先ほど、説明をしましたが弁護士の電話相談は、福岡市と共催で行います。そのため一方的に福岡市に期待するという立場ではありません。それともう一つ、電話相談以外にも、福岡市と弁護士会とで「広報や啓発を一緒にやりませんか?」という情報が入ってきています。先ほども話しましたが、昨年の「制服に関するシンポジウム」は、本当に盛況で反響も大きかったです。そういった取り組みを、福岡市と一緒にしていければと思っております。

→松本氏

 行政ができることと、我々民間企業ができることは全然違うと思いますが、その二つが合わさることにとって、凄くいい結果が現れると思っております。正直に言えば、「どう行政を関係性を持っていくのか?」は、まだ想像もつかないのですが、絶対にいい方向になると思っています。一緒に連携して、いい環境作り。いい制度を作っていきたいと思います。

→三浦氏

 私の団体には、当事者や企業や行政を広くつなげていく役割があるのではないかと思っています。これから作っていく制度のために、「正しい情報を届ける」。「当事者の状況を正しく行政に伝える」というのが、私たちの役目だと思っております。そういったところで、一緒に活動できたらいいなと思っております。

→五十嵐氏

 福岡メンバーのコメントを受けて、永田さんからもコメントいただけますでしょうか?

→永田氏

 福岡市は「アジアの交流拠点都市・福岡」という基本構想を掲げていらっしゃいます。渋谷も日本中からいろんな人がいらっしゃいますが、LGBT当事者は、血縁を断ち切って住んでいた土地を捨てて都会に来る方が、多くいらっしゃいます。同じように福岡はアジアの拠点ということであれば、もしかしたらアジア一円から来ていらっしゃる留学生の方で、自国を捨てる覚悟で、「福岡の方がLGBTフレンドリーだから」という気持ちで来ている人がいるかもしれません。そういう中で、街全体として海外の方々を含めて多様性を認め合う都市として、より良い空気を作っていただけたら私としても嬉しいです。

→五十嵐氏

 ありがとうございます。

 若い世代の方から聞いた話なのですが、LGBTの方に向けた就職活動のイベントの中で聞いた話が非常に印象的でした。

 パートナーが福岡にいる方だったのですが、「自分は福岡以外に住んでいたのですが、どうやら福岡市で取り組みが行われるようだから、もし本当に取り組みが進むのであれば、ぜひ福岡市に引っ越して住みたい」と、おっしゃる方もいました。

 もう一つ就職活動をしている女子学生の方が、「LGBTフレンドリーの企業は、女性が働きやすい企業なんじゃないだろうか?と感じているので、情報を集めています」と言ってました。

 特に若い方々は「フレンドリーな企業や街や地域がどこにあるのか?」「自分が本当に住みやすい都市はどこにあるんだろう?」、という情報を求めてらっしゃる方が、潜在的に沢山いらっしゃるのかもしれないと思いながら、今日の話を聴いておりました。

 最後に一言ずつ頂戴して、ディスカッションを終わりたいと思います。

→三浦氏

 パレードを主催していて、当初から関わってくれたメンバーと、いつも話しているのですが、3年経って、この状態(福岡市が制度を作る)まで来ているのが奇跡だと話しております。これからも、もっと住みやすい社会になっていけばいいなと思っています。自分自身は、この活動をもっと進められたらいいなと思っております。今日はこのシンポジウムに参加させていただきありがとうございました。

→松本氏

 福岡という土地でやらせてもらっていますが、当社は「不動産業界のモデル企業」という経営理念に挙げています。その内容に負けぬように、自社の取り組みはもちろんですが、住環境の提供ということで、「こういった取り組みを、福岡や全国にも理解してもらい、もっと取り組みが増えていけばいい」というのが、私の願いです。まずは自社でコツコツとやっていきたいと思います。今日はありがとうございました。

→石田氏

 まず最初に、今度始まる電話相談は、きちんとLGBTに理解がある弁護士が対応しますので、安心してお電話ください(笑)

 まだ、いろいろな問題が山積しております。弁護士会としても、やることは増えていってるのに、同じ人数しかいないのが悩みです。先ほども言いましたが、様々な分野を対応している弁護士の仲間を増やして、問題に取り組んでいきたいと思っております。

→永田氏

 本日はこういった形で多くの皆様の前で話をさせていただきありがとうございました。

 性的マイノリティに関して、いろいろな話をしてきましたが、最終的には「当たり前の隣人」だと思っております。ただ「アライも隣人」にいるのですが、みなさんのお隣の方が「アライ」だと言うことを知っていますか? 知らないですよね? 

   そこで皆さんにお願いしたいのが、今日ここで何か小さな気持ちをお待ち帰りいただけたら、是非それを近所の方や同僚や家族に、少なくても構いませので、誰かに伝えてあげてください。もしくは、今日お配りしている「アライ」のシールやバッチをつけたりして、少しでも見える化して、小さな旗を振っていただく、そういったことを皆さんにご協力いただけたらと思います。今日はありがとうございました。

→五十嵐氏 

 今日、皆さんに「アライ」のシールやバッチをお配りしています。

 決して強制的なものではありません。ただ何かサインが出せそうだと思っていただいた方は、パソコンや電話やノートに貼ってみてください。ご共鳴いただいた方は、是非サインを出していただけたらと思います。

 これでディスカッションは終わりますが、これから質疑応答とさせていただきます。

<つづく>