LGBTシンポジム参加レポ<16>

 やっぱり「LBGT」という言葉が好きになれません。

 渋谷区からシンポジウムに来られた、永田氏は以下のように「LGBT」に関して、説明していました。

実は「LGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル)」の人たちは、「3.好きになる性」について話をしています。「誰を好きになるのか?」という話をしています。それにくらべて「T(トランスジェンダー)」の人たちは、「2.心の性」について話をしています。「自分がどの性別だと思うか?」という話をしています。

 その説明で、それぞれのマイノリティに対する理解はできますが、やっぱり一括りにするには無理があるように思います。海外では差別も酷くてマイノリティ同士で団結して行動する必要があって、こういった言葉が生まれたという背景を何かで読みました。経緯は分かるのですが、少なくともボクは違和感を感じます。

 ボクはいくつかのパレードの現場に行きました。この文章を書いている今日も代々木公園のイベントに行きました。

 そのイベントの中で「LGBT」のT(トランスジェンダー)」の数名の方が、プラカードを持って公園内を歩いているのが目につきました。カードには「人権や状況の改善を訴える内容」が書かれていました。少なくとも、ボクが見た限りは、ゲイの方が個人でプラカードを持って公園内を歩いている姿を見かけませんでした。なんとなく「LGBT」の中でも、トランスジェンダーの方が抱えている問題に関しては、深さの度合いが違うように感じました。細かい数値は分かりませんが、過去のパレードの参加者を見ても、人口比の割にトランスジェンダーの方の参加率は高いようにも感じました。

 ただ、マスコミが「LGBT」という言葉で一纏めに取り上げてしまうのも、何となくわかる気がします。

 ボクはゲイだから、他の「LBT」の方が抱えている問題は分かりません。彼らがどんな世界で生きているのかも知りません。同じマイノリティとして扱われていますが、そんな樣です。きっとボクと同じように、当事者ではない興味のない人たちから見れば、レズビアンもゲイもバイもトランスジェンダーも分からない一括りの存在だと思います。だから「LGBT」という言葉で一括りにしてしまうのかもしれません。

 NHKが「LGBT温泉」のような番組を作ってしまうのもわかる気がします。でもゲイなら喜んで男風呂に入りますよね。

「俺……ゲイだから女風呂に入りたい」

 そんな人はいないと思います。風呂に関しても、トイレに関しても 難しいのはトランスジェンダーの方だけのように思います。

 文章を書いて感じたのですが、「LGBT」という言葉自体には問題がなくて、全てを一括りして扱うこと自体に違和感を感じているだけかもしれません。

 それに文章で書くのにも、「LGBT」は便利な言葉だから、やっぱりボクも使ってしまいます。もっと「LGBT」より、いい言葉が出てくればと期待しています。
 
 他にも言及したいことは山ほどありますが、おいおい別の文章の中に盛り込みながら書いていきます。

 今回のシンポジムの内容を、なぜ議事録形式で文章にしたかというと、このサイトを読んでくれている人にシンポジウムの内容について知って欲しかったからです。ボクがシンポジムを聴いて、その内容に関する感想だけを中心に書こうと思ったけど、それだとボクというフィルターを通して情報を伝えてしまいます。もちろん議事録形式にしたところで、ある程度の内容を要約して書いているのでありのままとは言えないのは分かっています。

 ただ、このシンポジウムの内容を、できるだけありのままの状態で読んで、いろいろと感じて欲しいと思いました。

 ボクは福岡市から離れた田舎に住んでいるけど、それでも福岡県という九州の全体の中では、都会に近い場所に住んでいることになります。それだけでも恵まれていると思います。これからも「同性パートナーシップ制度」の普及は進んでいき、同じようなシンポジウムが日本各地で開催されていくと思います。

 シンポジウムに行きたいけど理由があって参加は難しいんだよね、という方がいらしたら、きっとシンポジウムの内容は、どこも似たようなものだと思いますので、このサイトの文章を読んでいただければ、大体の空気や内容は分かると思います。

 最後に……もう3時間のシンポジウムの議事録なんて金輪際書きません!(笑)

<終わり>

 5月5日 新宿3丁目のルノアールにて