言葉のしっぽ<4>

それから数日後、ゲイブログLINE上で、あるやりとりが発生した。

どんなやり取りがされたのかは、たぬ吉さんの文章に書かれているので詳細は省くことにする。

ボクは「たぬ吉さん」と「もう一人の方」(以下、Aさん)のやり取りに関して、発言ができる立場ではない。そもそも、この件の引き金はボクが引いてしまった面もあるからだ。

この件。たぬ吉さんは言及していないけれど、ボクが書いた以下の発言が発端になっている。

見に行きたいのですが福岡なので……是非、次はゲイブロガーをモデルにヌードをお願いします。特に○○○展でのBさんのポロシャツ越しの乳首画像を見てから、生で見てみたいという思いが日に日に募っています。この案は絶対に却下されそうですが(笑)
あと……たぬ吉さんの記事を見るのに更新ボタンを連打しすぎてwithnewsのサーバーがダウンしたらすみません(笑)

こうやって文章を転記しているだけでも自己嫌悪になるけど、このバカバカ書き込みは、ボクがしている。

二人の告知の書き込み以降、LINE上の話の流れが止まっていたので、無理やり動かそうと書き込んだ。

ボクとしては二人の話題に「なるべく平等」に触れたつもりではあった。でも結果から見れば、この後の話題は「たぬ吉さん」ではなく「Aさん」に流れてしまった。

ただ「なるべく平等」に触れたとは言いつつも、ボクはこの書き込みで、とても卑怯なことをしている。

全くの無関係のBさんを巻き込んでいる。Bさんは皆から好かれている方なので、Bさんの名前を出せば、話が流れ始めるだろうと思ったからだ。後から読み直しても、勝手に他人を巻き込んで最低な書き込みだと思う。

この場で書くことではありませんが、Bさん。すみません。

Hagexさんの事件と接して「言葉」は怖いから、慎重に使わないといけないと思っていた矢先に、こんな様だった。

この後、ボクとたぬ吉さんとの間で、LINEとは別にやり取りがあって、彼との連絡が途絶えてしまった。ただ、たぬ吉さんが「Aさん」と「ボク」の書き込み対して傷ついていることが分かった。

LINE上の会話を見る限り、たぬ吉さんは怒っている。

ボクは彼が何に対して怒っているのか気になった。

怒るのはかなりエネルギーがいる。以前から「怒る」という感情を見せる人に関心があった。

「喜怒哀楽」という感情があるとして、なんで「怒る」という感情だけは嫌われるんだろうと不思議だった。

ボクは以前から、たぬ吉さんの書く文章が好きだと公言してるけど、彼の書く文章を読んで惹かれたのに「彼が何かに対して怒っている」という印象を抱いた面もある。

ボクは「怒る」という感情をうまく出せなくなっていた。

一番エネルギーを使う感情だからかもしれないけど、その感情を出すと周囲から「痛い奴」という風に見られるのも理由だと思う。

よく職場で怒っている人がいる。

同僚たちは「あいつは面倒くさいから関わりたくない」と言って無視していた。彼が怒っている理由なんてどうでもよくて、場の雰囲気を乱す迷惑な人と見られていた。彼が何で怒っていて気になって彼について話していると「神原はマゾだよね」と笑われた。でもボクは怒ってる彼のことが羨ましかった。ボクには出すことにできない感情だったからだ。

ボクは言葉を挟むことができる立場ではないため、二人のLINE上のやり取りを見ていた。

ただ、たぬ吉さんが、何に対して怒っているのか分からなかった。たぬ吉さんが何に対して怒っているのか理由が知りたかった。

「彼の気持ちを全て察して傷つかないように注意して発言することはできないからしょうがない」という意見もあるけど、そんなことは正直どうでもよかった。

ボクの書き込みで、たぬ吉さんが傷ついたのは「事実」だからだ。

たぬ吉さんが、どんな気持ちで生活保護の手記を書いて、その告知をLINE上に書いたのか、そして告知を被されて、どうして怒ったのか、もっと彼のことが知りたかった。

<つづく>