言葉のしっぽ<番外編1>

はてなブックマークの上位にランクインされた以下の記事を読んでみた。

ちょうど、これから書く文章の中で「ブログで金儲け」に関して少しだけ書こうと思っていたけれど、その話を文章に入れてしまうと、本筋から逸れてしまうので、この記事を読んだ機会に別枠で書くことにする。

このサイトは全く広告を貼っていない。

「はてなブログ」に勝手に表示される広告を削除したいから、はてなの有料会員になったくらいに広告自体が邪魔だと思っている。たまにゲイ作品のレビュー文章にAmazonのリンクを貼ってるけど、あのリンクを押して購入しても一銭の収入もない。

ブログで金儲けのやり方を知らない訳ではない。

ただ興味がないだけだ。

Google AdSenseのアカウントも持っている。

Amazonの広告リンクの貼り方も知っている。

そういえば、このゲイグログの連絡先として書いているメールアドレスに何社かの企業からメールが送られて来た。ゲイ関連の商品を扱っている会社からだった。

あなたのサイトを興味深く読んでいます。当社の製品を紹介していただけないでしょうか?

謝礼はどーたらこーたら。長々と書いていたけど覚えていない。

このサイトの文章を本当に興味深く読んでくれているのなら、「大人のおもちゃ」の宣伝文章なんて絶対に書かないことは分かってくれるのではないだろうか?

福岡市内の有料ハッテン場に行った。その店で出会った男性から、オ○ホールを使って攻められた。あまりに快感ですぐにイッテしまった。その男性に「これはどこの製品ですか?」と質問した。ボクは彼から教えてもらった、そのオ○ホールを買って連日使っている。これからは有料ハッテン場に行くことはないだろう。ボクは有料ハッテン場に別れを告げた。 第?章 大人のおもちゃの魅惑

そんな文章を書いている姿を想像してケラケラ笑いながらメールを削除した。

「ゲイブログ」を立ち上げるより前に、「ゲイブログ」とは無関係のブログを立ち上げたことがある。

社会人になって約2年から3年が経った頃で、もう10年以上前になる。世の中にブログという言葉が現れ始めた時期だった。書店には「ブログ」や「アフィリエイト」や「SEO」と言った言葉のついた書籍が沢山並んでいた。

自分の仕事に関連した「ある業界」の情報をまとめた文章を書いていて、個人的な感情は全く込められていなかった。現在で言うところの「まとめ情報サイト」だった。

以前の職場の同僚に「株ブログ」を書いて、かなり儲けている人がいた。

株自体の収入はほとんどないのに、株ブログの収入は毎月30万くらいあった。「俺は『株と株ブログ』で生きていく」と宣言して、そのまま退職してしまった。

彼が今何をしているのか知らないけど、退職して数年後に、たまたま連絡した時は、株ブログの売上が下がってしまって、他のブログを何個も立ち上げていた。恐らく長くは続いていないだろう。

ボクはその人からブログやアフリエイトの仕組みを聞いて、どんなものなのか気になって書き始めてみた。

日曜日にまとめて1時間かけて更新するだけの作業で、半年を過ぎたころから毎月5,000〜10,000円。1年が経った頃で、10,000〜20,000円ほどの収入になった。

へぇ……小遣い稼ぎにはいいかもな。

そんなことを思いながら、気が向くままにだらだらと更新を続けていた。そして、ある日を境に、アクセス数が跳ね上がっていることに気がついた。毎日、アクセス数をチェックしていなかったので、いつのまにかグーグ検索の上位にヒットするようになっていて驚いた。それに比例して収入も上がった。

しばらくして、たまたま自分のサイト名を検索している時に「異変」に気がついた、

ボクのサイト名と、かなり似たサイトが立ち上がっていることに気がついた。

そのサイトのリンクを開いてさらに驚いた。ボクのブログの文章がまるまるコピペされていたのだ。そのサイトには会社名が書かれていたけど、どうせ嘘の記載だろうと思った。

数日後、ボクは自分のサイトを閉鎖した。

このゲイブログを読んでくれている人はボクの性格を知ってると思うけど、ボクは少しハマりやすい性格をしている。はまった対象の内容や仕組みを一定ほど理解すると飽きる性格をしている。

もうブログやアフィリエイトの仕組みは理解していて、それらを更新することの時間を使いたいと思っていなかったので、そのまま見知らぬ誰かに文章を譲り渡していいと思った。なんだか負けないよう意地になって、サイトを更新を続けるのもバカバカしかった。どうせ見知らぬ誰かはボクの書いた文章をコピペすることを止めないと思った。

収入は全て無くなってしまったけど、そんなに未練もなかった。

今でも、そのコピペサイトは残っていて、ボクの書いた文章は残り続けている。さっき検索したけど、コピペサイトは更に増殖していた。ボクの書いた文章はさらに増えて、いろいろな所に散らばっていた。あのまま意地になって、見知らぬ誰かに負けないようにサイトを更新することを選択しなくてよかったと心底思う。

ただ、サイトを消した後、

あのサイトに書いていた文章には、ボクの気持ちは全く込められていなかったから、コピペされても当然だろうな……

そう強く思った。

<つづく>