絶対に会えてよかった<89>

彼の耳の下の辺りや首の後ろの辺りを、優しく撫でてキスしてあげると、身体をよじらせて感じていた。


ボクは彼が感じている様子を見て思わず笑いそうになった。


夏場になるとよく犬が長い舌を出して「はっはっはっはっ」と声を漏らしながら、よだれを垂らして体温調整をしているけど、彼も全く同じ声を漏らしながら舌を出して興奮していた。子供の頃に飼っていた犬の夏場の姿と、彼の興奮している姿が、あまりに似ていて笑いが噴き出してしまうのを我慢した。


彼の興奮している姿を見ていて、なんだか苦しそうな感じもしたので撫でるのを止めると、焦らされていると感じたのか、彼は「もっと激しく触って欲しい」という風に、ボクに向かって首の後ろを突き出してきた。


ボクはしょうがないと思って、さっきよりも激しくキスをしたり舐めたりしてあげた。


彼は責められて感じているのか、夏場の犬の体温調整している様は、さらに激しくなっていった。ボクはおかしくして笑い出すのを必死にこらえながら責めていた。


数分後。彼は自分の手で下半身を責めながら、あっけなくイってしまった。さっき3人がかりで散々に責めて溜まってしまっていたのか大量に噴き出してしまった。


3人がかりで責められてもイクことができず、その状態のまま自分の手で頑張って責めてもイクことができなかったのに、首を撫でてキスしてあげるだけで簡単にイってしまった。


甘えん坊なのか、照れ屋なのか、恐らく両方なんだろうけど、彼は抱きついて離れなかった。


「首を責めて欲しいのなら、はっきり言えばよかったのに。さっきの人たちもどう責めても無理だったから困ってたよ」と言うと、「『首を責めて欲しい』とか恥ずかしい言えないです……」と答えた。


まぁ確かにそうだ。自分の弱点を晒すのは結構恥ずかしい。


しかも複数人を相手に自分の弱点を晒すなんて、なおさら恥ずかしくて言えないよねと思った。


それにしても首を軽く責めるだけで、あっけなくイっちゃうなんて極端な性感帯をしているな?と思って、もう一度、首筋を撫でてあげると、彼はまた夏場の犬のような吐息を漏らした。彼の下半身を見ると再びに元気になっていた。「もう一回イきたいですか?」と質問すると、うなずいて返答してきた。ボクはさっきよりも少し激しく首を責めてあげた。


数分後、彼はもう一度イってしまった。


やっぱり20代前半だけあって性欲は旺盛だった。


その後、彼はボクにしっかり抱きついて離れなくなって、そのまま眠りについてしまった。ボクは年下に甘えられるという初めての経験に直面して、どう対応していいのか分からなかった。ただ彼が目を覚ますまで寝顔を見ながら頭を撫でてあげた。


ふと彼の首筋を見ると、ボクのキスマークでいっぱいになっていることに気が付いた。


<つづく>