ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

カミングアウトした過去と他人との距離感<11>

IT業界。

特にシステム開発の世界はパソコンに向かってプログラミングだけしていればいい。

人間と向き合う必要もなく、パソコンに向き合って与えられたスケジュールを守って仕事をすればいい。そんな予想をして社会人になって仕事を始めたけど、ボクの子供ぽい予想はすぐに崩れ去った、

予想に反して、例えばシステムを導入する客先企業だったり、他にも親会社や開発を依頼する下請けの会社だったりと、人間関係の調整がやたら多かった。たまたまボクの入社した会社が、大手企業と下請け企業の中間管理職の立場だったのも関係している。自分でシステム開発をするのはもちろん、同時に人間関係の調整ばかりすることになった。

ついでに勘の鋭い上司がいて、なぜかボクがゲイであることに感づいた。

それから職場で「ホモ」「ホモ」「ホモ」「ホモ」「ホモ」「ホモ」「ホモ」と毎日のように連呼されることになる。この辺の出来事は『職場でゲイとして生きる』の章に詳しく書いているので知りたい人は読んでほしい。ただ、この頃になると、ボクも精神的にもかなり強くなっていたので負けなかった。

ボクは「本当にホモなのにホモキャラを装っている人」という器用な演技ができるようになっていた。

この時期のことを振り返ってみると、現代なら差別発言のオンパレードと言われて問題になるようなことばかり言われていた気がする。ただボクは周囲の同僚が好きだったので、それほど嫌と思っていなかった。

この社会人時代の前半になると、少し前にも書いたけど休日になると喫茶店にこもって児童文学書ばかり読んでいた。

先日、いきなりショウタさんから福岡市内にある喫茶店をまとめた本を買ってもらった。福岡市の薬院にある『書肆 侃侃房(しょしかんかんぼう)』という小さな出版社が作った本だった。

「なんでこんな本を買ってくれたんだろう?」

そう思ってショウタさんに質問してみたところ「だって喫茶店に行くのが唯一の趣味でしょ?」と言われてしまった。「なんだ……バレてたんだ」と恥ずかしく思いつつ「他にも美術館めぐりの趣味もありますよ」と小さく反論しておいた。

ボクは休日になると喫茶店にばかり行くようになったのは社会人時代の前半からだ。

mituteru66.hatenablog.com

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家の中にこもっていないで外に出ていれば何か起こって人生が変わるんじゃないだろうか?

休日になると、そんな期待をして朝早く出かけて、何も起こらず落胆して夕方になると家に帰った。

ひたすらそんな生活の繰り返しだった。

この時期の生活パターンが染み付いてしまって今でも抜けなくなっている。

彼と付き合い始めても「喫茶店に行きませんか?」と自然と言ってしまう。もう一人じゃないのだから、あの頃の生活パターンから抜け出さなくてはいけないと最近悩んでいる。

<つづく>