バグの修正対応が続く日々

「今度の三連休に『対馬』に行かない?」

ショウタさんと電話で話していると、そんなことを突然に言い出した。

ボクは「またか」と思った。

彼の言っている三連休まで既に1週間を切っていた。今から宿や船を予約して、どこを観光するのかを決めたりするにしても時間が足りないと思った。彼と電話で話しながらグーグルマップで『対馬』を調べると、分かってはいたけど島とは言えないくらいに面積が広い。

ボクは「同じ島でも『壱岐』でよくないですか?」と提案してみた。

『壱岐』の方が『対馬』より狭い分、どこを観光するか選択肢が少なくて日程調整が楽そうだと思った。でもボク自身も『壱岐』を提案しつつも『対馬』の方に行きたかった。彼も『対馬』に行きたかったようだ。

とりあえず、その日は「次の三連休に『対馬』に行こう」と決めて電話を切った。

それにしても先月は「今度の三連休に『韓国』に行かない?」と同じようなことを言ってきた。それも三日前に言い出した。あまりに突然すぎて「いきなりで無理だ」と言った。

ちなみに、ボクはノリが行動するのが好きだ。

何の予定も立てないでフラフラと気の向くままに観光するのも好きだ。

でも流石に三日前に海外旅行に言い出すのは驚いた。

そんなこんなで『対馬』行きを決めた翌日の夜。ショウタさんから電話がかかってきた。

ショウタさんは「よくよく考えたら今週末まで数日しかないから『対馬』に行くは厳しいことに気が付いた」と言い出した。ボクは「よかった。冷静になってくれたか」と思った。それから二人で冷静に話した結果、同じ九州圏内の別の県に旅行に行くことになった。

そんな訳で、これから数日間は福岡にいない。

ボクは電話を切った後「この状況って……残りの日で、毎日のサイト更新分にプラスして三連休の文章を前もって書かないといけないってことか……」と気が付いて愕然とした。

このサイトの存在をすっかり失念していた。

これは彼が発生させた今までのバグの中で最大級かもしれない。

「もう毎日更新は無理だ」と思った。

ボクは彼と一緒にいる時に、このブログのことを考えたくない。目の前にいる彼といる時間をゆっくり楽しみたい。彼がいるのに「ちょっとブログを書くから時間をください」なんて絶対に言いたくない。彼が寝た後にこそこそと起きてパソコンを起動して文章を書くなんてことは絶対にやりたくない。

それで「もう毎日のサイト更新は止めます」というタイトルの文章を書こうと思った。

でも暫くすると彼の生み出した最大級のバグに対して「負けてたまるか!」という気持ちが沸き起こって来た。

そんなこんなで、さっきから意地になって喫茶店に篭って文章を書き続けている。

それにしても仕事をしながら、自炊や家事をきちんとこなして、休日は彼と遊んで、毎日ブログを書くのも限界がある。これから迎える3月末から4月上旬の仕事の忙しい時期にプラスして、彼が生み出すバグを修正しつつも、毎日のサイト更新を続けることができるだろうかと不安になってくる。

でも、ボクはそれらに困難に対して「絶対に負けてなるものか」という謎の対抗心が燃やしている。何故かゲームをして強敵と戦っているかのような感覚になって楽しかったりする。与えられた状況の中で、ボクはなるべく楽しむことができるように考え方を持っていくようにしている。

今、皆さんが読んでいる、この文章を書き終えれば、ボクは無事に何の気兼ねもなく三連休を過ごすことができる。彼の生み出したバグの修正が無事に終わって旅行を楽しむことができる。この文章が公開されて皆さんが読んでいる時には、どこかの高速道路を走っているかもしれない。もしかしたらこのサイトの読者と、どこかの街ですれ違っているかもしれない。

これからも彼が生み出すバグを楽しみながら修正し続けて、できる限りサイトの更新を続けていきたい。