ライナーノーツ<22>〜はじめてのカミングアウト〜

「こんな文章を書いてしまったけど影響を受けてカイングアウトする人がいたらどうしよう」

そんな心配をしながら、まだこのサイトを始めた最初の頃に『はじめてのカミングアウト』を書いた。

ボク自身は「子供の頃にカミングアウトするは止めたほうがいい」と思っている。もう一度人生をやり直せるとしても、ゲイとして生まれてくるのはいいけど、中学時代にカミングアウトはしないと思う。

これはボクが子供の頃にカミングアウトしてしまって、中学時代から高校時代に痛い目にあった経験から強く感じている。特に高校時代には、このサイト上に書けない出来事がいくつもある。細かいレベルで嫌がらせなんて腐るほど沢山あった。もうそういった細かい出来事は毎日のように多くあったので忘れてしまった。忘れないと生きていけなかったような気もする。

今の時代は、子供だろうと皆んなスマホを持っているし、LINEやtwitterの画面で「○○学校に神原ってホモがいる」と写真付きのメッセージを送れば、あっという間に学校内どころか学校外まで拡散していくだろう。ボクの高校時代は携帯電話を持っている人もいなかった。情報の拡散という意味では、学校外に出て行く可能性があったのは塾を通してで、噂だけで顔を知らない生徒なんて興味なかったはずだ。たまたま小学時代の同級生が噂を聞いてしまったぐらいのケースしか拡散はなかった。

大人の世界であれば「これ以上は追い込むと危ない」といった線引きができるかもしれないど、そんな線引きは子供の世界では存在しない。それにカミングアウトした本人の精神面も成長している途中で、もろくて壊れやすように思う。ボクはたまたま同級生との巡り合わせがよくて精神的に助けられた。それに好きだ同級生と告白しても友達同士のままいることができて精神的に助けられた。でも、これはボクの運がよかっただけだ。

そういった経験から、ボクは親から独立して自分の責任で人生の選択できる状態になるまでカミングアウトはしない方がいいと感じている。

でも今のボクはその条件を満たしているけどカミングアウトする気は全くない。親に対してもカミングアウトするつもりはないし、職場でもカミングアウトするつもりはない。

職場の同僚はボクがゲイであることに、なんとなく気がついていると思う。カミングアウトしても受け入れてもらえる自信がある。だからといってカミングアウトをしたいとも思わない。

ゲイという側面はボクの中の一部だ。

とても大切な側面だと思っている。

でも今のボクは、そのゲイという側面に関しては、こうやって文章を書くことで満たせてしまっている。それに今のボクはゲイとして生きているけど一人ではない。それにゲイ以外の側面に関しても親や職場の同僚や友人たちの人間関係によって満たしてくれている。

ボクは今まで出会ってきた人たちによって生かされている。

出会ってきた人たち強く感謝している。 

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