ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

おのぼり二人紀行<9>

自転車を駐輪場に停めてから公園内に入ると1年前と同じような光景があった。

 

ベンチに並んで座って話しながらこっちの方をチラチラ見ている人たちや、ベンチに一人腰掛けてスマホを片手にチラチラと見ている人たちがいた。彼はそんな視線に気が付くこともなく「さっき買ったライチを食べよう」と言って、カバンの中からビニール袋を取り出して公園の水飲み場に行ってライチの皮を洗っていた。そしてベンチまで戻ってきて「汁が服に付かないように注意してね」と言って皮を剥いて食べ始めた。

 

僕は生まれて初めて生のライチを食べた。

 

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外から見た感じはごつごつとした皮に包まれていたけど皮を剥くと白い透明な実が出てきた。まだ完全に熟していなかったけど十分に美味しかった。僕らは二人してビニール袋の底を覗き込んで、実が入ったままライチを探しては皮を剥いて食べ続けた。「汁がかからないように食べるのが難しいね」と言いながらも一気に食べ尽くしてしまった。そんな僕らの姿は周囲からすれば「こいつら何をやっているのだろう?」と思われるだろう。これが田舎であれば奇異の目でジロジロと見られたり、話かけてくる人がいるだろうけど、さすが東京だけあって他人の行動には無関心のようだった。彼は「種を取っておこう」と言って、皮も種もビニール袋に入ったままカバンに入れた。

 

僕らは水分補給をして少し休んでから再出発した。

 

僕らは新宿2丁目を後にして、東新宿の韓国系のスーパーマーケットに立ち寄った。店員も客もほぼ全員が韓国人だった。その後、さらに新大久保駅近くのイスラム横丁と呼ばれる場所に行った。ここもほぼ全員がインド人やネパール人やイスラム系の人で溢れていた。

 

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僕らはある雑貨店で謎の果実を見つけた。「これは何だろう?」と話していると、ちょうど謎の果物を手に取って買おうとしているインド人風の男性がいたので質問してみた。男性はその果物を「アムラ」と言って日本語でどうやって食べているのかを教えてくれた。

 

僕らは1時間くらい新大久保周辺を散策してから自転車に乗って移動した。

 

ここから先の3時間に起こった出来事は細かく書かない。

 

彼は数年間ほど東京に住んでいた時期がある。そんな彼の思い出の場所を自転車で回った。彼が昔住んでいたアパートの屋上に上がって夜景を眺めたりして過ごした。以前から話は聞いていたけど、ようやく彼の過去の点と点が結びついて具体的なイメージが出来るようになった。

 

今回の旅行。

 

彼の思い出の地を散策するというのが目的の一つにあった。

 

<つづく>