ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

おのぼり二人紀行<12>

洗濯するのがめんどくさい。でも洗濯をしないと落ち着かない……

 

僕は洗濯物を溜めるのが大嫌いだ。ちゃんと毎日洗濯をしないと気が済まない性格をしている。ただ宿泊先に置いてある使い方が分からない洗濯機を使わなくてはいけないという憂鬱さがあって、洗濯するべきか洗濯を放棄するべきか戦っていた。結局、「ちゃんと洗濯しないと精神的に気持ち悪い」という思いが勝って服を着替えて二人分の洗濯物を持ってのろのろと階段を上がった。

 

重い鉄のドアを開けると洗濯機が置いてある宿泊先の共有スペースに白人が6人いた。ドアを開けた瞬間に6人の視線が一斉に僕に向かって集中して英語で挨拶された。こちらは完全に寝ぼけた状態だったので、「おはようございます」と返したのか「ハロー」と返したのか「グッモーニング」と返したのか覚えていない。とにかく何か返答して洗濯機に向かった。この日からどんなに疲れて宿に戻ろうが毎日洗濯をするようになった。30分ほど洗濯機が回っている間に身支度を整え、「朝ごはんは埼玉県に入ってから食べよう」と決めて宿から出た。そして都営大江戸線の蔵前駅から出発した。途中で埼玉高速鉄道に乗り換えをして新井宿駅に到着する。

 

僕らは新井宿駅の駐輪場で自転車を借りようとしていた。

 

でも、駐輪場の整理をしているお爺ちゃんから「レンタサイクルは1年前に終わったよ」と言われる。まだホームページ上は情報が残ったままだけど、借り手が少ないからサービスを停止したみたいだった。

 

どうしようかと困っていると、お爺ちゃんは「確か……隣の戸塚安行駅で自転車の貸し出しをしているよ」と情報をくれた。僕らはお礼を言ってから再び地下鉄に乗って戸塚安行駅に移動した。そして戸塚安行駅から地上に上がって駐輪場で無事に自転車を借ることができた。

 

「これ……大丈夫ですかね」

 

僕らは貸し出しされた自転車を見て不安を感じていた。これから数時間に渡って自転車を使う予定だったのに、一見古びたママチャリという感じで頼りなかったのだ。ただ、ちゃんと整備されていたようで家で使っている自転車よりもよっぽど走りやすかった。電動アシスト機能も付いていないのに坂道もすいすい上ることができた。貸し出しの手続きをしてくれた人からは「17時を過ぎたら誰もいないから自転車は元の場所に置いて鍵は箱に入れといてください」と言われる。身分確認証の提示もしないで貸してくれ、なんというか田舎らしい契約の手続き、心がほのぼのしてしまった。

 

僕らは戸塚安行駅から自転車に乗って出発した。

 

2日目の目的地は「西川口」だ。

 

<つづく>