ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

おのぼり二人紀行<30>

旅行4日目の朝。僕たちは練馬駅からそれほど離れていない場所に来ていた。

 

僕たちが来ていたのはJAが管理している貸農園の一つだ。

 

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その貸農園の一画で、ある有名な農業家が畑を借りて作業している。

 

その農業家は農業大学で講師をしていて、農業関連の書籍も沢山出版している。さらに2010年からYoutube上で自分の農作業を動画配信している[※1]。かなりの頻度で配信していて動画数も大量にある。ここ数カ月間、僕たちはYoutubeの動画配信を一緒に見ながら、その方がやっている農作業で自分たちでも真似ができる所がないか、あれこれ検討をしていた。

 

そんな訳で、この貸農園は今回の旅行で絶対に行ってみたいと思っていた場所で、僕たちにとって聖地巡礼みたいなものだった。残念ながら本人はいなかったけど、隣の畑を借りている方からいろいろな話が聞けた。

 

そもそも何故、僕がこんな場所に来たのかと言うと、今年の4月から彼と一緒に畑を借りて「農業」を始めているからだ。

 

彼と2回目に会った時。僕は彼に連れられて福岡市の植物園に行った。

 

その日の直前まで、僕はどこに連れていかれるのか教えてもらえなかった。夏になると大濠公園から植物園まで直通のシャトルバスが出ていて、夜の植物園に入ることができる。僕は「なんでまた植物園に連れて来たのだろう?」と不思議に思っていた。ただ彼が温室内で目にする植物の大半の名前を知っているのに気が付いて、「この人は植物が好きなのかな?」と思っていた。ちなみに植物園で、夜の訪れとともに月見草が音を立てながら一斉に花を咲かせる幻想的な瞬間を見ることができた。

 

その後も、彼と一緒に歩いていると、植物の前で足を止めては、「これは×△×◯×△」と、僕が生まれてから一度も聞いたこともないカタカナの長い名前をさらさらと言っていた。その植物のwikiのページを見ると「日本では滅多に見ることが出来ない」とか「日本では希少」と普通に書かれているのだけれど、彼は少し見ただけで植物の名前が分かるみたいだった。僕の家で『ポツンと一軒家』というテレビ番組を一緒に見ていたのだけれど、人里離れた山奥に住んでいる人の家の庭で、ある植物がテレビに映った瞬間に、「絶滅危惧種だ!」と言っていて、その後、同じ説明が番組内でもされていた。

 

僕には何が何の植物なのか分からないのだけれど、そんな状態が続くので、彼と付き合い始めてから一カ月もかからないうちに「かなりの植物好き」ということに気が付いた。気になった植物があれば種や苗を手に入れて、自分で育てたりしていたらしく、それを料理に使ったりしていたらしい。

 

先にも書いたけど、僕は極端な所がある人が好きだ。

 

極端に突出している部分のある人は、その分だけバランスを欠いて他の部分が欠落している面もあるのだけれど、僕としては突出している部分も、欠落している部分も、その人らしくて人間臭い感じがして好きだ。そういった人と一緒に話している方が楽しい。

 

<つづく>

[※1]https://www.youtube.com/channel/UCBK-sZeM4dgz1dVm6UCMGKg