第15章 同性愛者の友達が欲しい
ボクはイサムさんに抱きつかれて痛かった。イサムさんはボクより背が高くて体格もよかったからだ。 「タカオミ君の体は暖かいな〜」 イサムさんは気持ち良さそうだった。ボクは特に気持ちが良い訳ではなかったけど、イサムさんが気持ち良いならそれでいいと…
ボクが手を繋いだ一番の理由は謝罪だった。イサムさんの肉体関係の希望に応えることができないので、せめて手を繋いであげようと思っていた。繋いだイサムさんの手は冷たかった。 「タカオミ君の手は暖かいな。私の手・・・冷えててごめんね。そういえば今日…
この公園を待ち合わせ場所にされた時から予感していたけど、その予感は当たってしまった。 「ヤるとしても・・・どこでするんですか?」 ボクは念のために確認してみた。 「ヤるならトイレか森の中だけど」 「やっぱりそこでするのか!」とボクはズッコケそ…
ボクは公園のトイレ前のベンチに戻って来た時点でなんとなく嫌な予感がしていた。ハッテン場に連れて来たってことはやっぱ肉体関係が目的かと疑っていた。メール相手の人はボクに話しかけて来た。 「君のこと何て呼んだらいい?」 「タカオミでいいですよ」 …
ボクは生まれてはじめて女装している人と会った。そして頭の中では完全に思考が崩壊していた(修学旅行の出し物で女装している人はいたけど、リアル女装子は初めてだった)。 「こんな姿で驚いた?」 ボクの気持ちを見透かしているかのようにその人は言った。 …
ボクは公園に向かいながら考えていた。 「本当にこんなに簡単に会ってしまって良いのかな?もう少しお互いの価値観とかの確認をしてからでもよかったのでは・・・」 大人になって経験を積んだ今なら、もう少しメールのやり取りをしてから会うくらいの慎重さ…
ボクは掲示板サイトに投稿した自分の文書を見返した。 「とうとう書き込んでしまった・・・これをどれくらいの人が見るんだろう」 はじめての投稿で、どれくらい待てば返信があるのか予測がつかなかった。 「すぐに返答があるとは思えないから、そろそろ寝よ…
ボクは生まれてはじめて出会い系の掲示板サイトに投稿しようとしていた。 「どういった内容で書き込もうかな・・・」 ボクは他の人の投稿内容を参考にしながら、テキストエディタに文書の下書きを作っていた。 「そういえば他の人が書き込んでる、この暗号み…
ボクは京都ハッテン場ガイドというサイトに出会って同性愛の世界についての知識を深めていった。そして実際にある公園のハッテン場に行ってみて同性愛の世界にも触れてみたが、まだ見知らぬ人と肉体的な接触は怖かった。 「まずは同性愛者の友達を作りたいな…