第44章 ライナーノーツ

ライナーノーツ<30>~LGBTブームと気持ちの変化~

現在、この文章に書いている場所に天神のジュンク堂は存在しない。喫茶店も存在しない。天神は目下、再開発中で大きく様変わりすることになっている。このジュンク堂という場所は、このサイト内で何度も登場した場所だ。僕と付き合っている彼にとっても思い…

ライナーノーツ<29>~LGBTの社会活動の関わり~

「あの熊本のパレードに参加していたら、今頃どんな道を歩いていただろう?」 恐らく、あのままパレードに参加したとしても、僕のことだから途中で嫌になって別の道に逸れただろうと確信している。2018年3月31日から4月1日の出来事を書いたものだ。この数か…

ライナーノーツ<28>~いつも見ている風景~

「自分だけでなく他の人たちの言葉にならない思いを受け取って文章を書く」 この章は「ハッテン場」という言葉を使わずに書いた文章だ。その言葉をあえて使わずに、あの場所を描いてみたかった。こういった感じで、ある言葉を使えば一言で済むのだけれど、そ…

ライナーノーツ<27>~ゲイとして生きる君へ~

「この文章を書いた時、ゲイブログとしての一つの終着点が達したと思った。」 けど…… 書き終えて半年以上経って、久しぶりに自分が書いた文章を読み返してみた。我ながらこんな文章をよく書いたなと思いながら読んだ。この文章は、自分が書いたという認識が…

ライナーノーツ<26>〜言葉の力〜

「人が変わるのは本質的なことが分かった時」 言葉について文章を書こうと思ったのは3年近く前でした。当初、このサイトはゲイブログというカテゴリーにあったので、こういった文章を書くのを躊躇っていましたが、最近、ゲイとは違うことを書く機会が多くな…

ライナーノーツ<25>〜LGBTシンポジウム参加レポ〜

「この文章を書いていた数か月間、今から思い返すと新しい道を見つけたくて必死だった」 この時期、福岡市主催のLGBTシンポジウムを皮切りに、熊本のパレードに行って、どんたくのパレードにも行って、その後、東京レインボープライドに行った。僕が一番活発…

ライナーノーツ<24>〜東京レインボープライド〜

「書きたいことは山ほどあるけど、書いてしまうと何かが零れ落ちてしまいそうで、記憶が薄れてしまいそうで書くことが出来ない日がある」 東京に着いた初日の夜。 僕はゲイブログを書いている「ある人」と会うことになって、彼の住む街まで電車に乗って向か…

ライナーノーツ<23>〜二度と戻りたくない場所〜

「最初は彼と付き合っていることを含めて書くつもりはなかった」 今でこそ付き合っている彼との関係を文章で書いているけど、当初は書くつもりは全くなかった。書くようになったきっかけはいくつかあるけど、映画『愛と法』を観たのが一つにある。『愛と法』…

ライナーノーツ<22>〜はじめてのカミングアウト〜

「こんな文章を書いてしまったけど影響を受けてカイングアウトする人がいたらどうしよう」 そんな心配をしながら、まだこのサイトを始めた最初の頃に『はじめてのカミングアウト』を書いた。 ボク自身は「子供の頃にカミングアウトするは止めたほうがいい」…

ライナーノーツ<21>〜ゲイブログを書く前後〜

「何かに出会った時。自分の感じ方次第で、どうにでも変わっていくように思う」 『ゲイブログを書く前後』では、前半はゲイブログを書き始めるきっかけについて中心に書いている。後半はゲイブログを継続して書いているうちに、どう変わっていったのかを中心…

ライナーノーツ<20>〜職場でゲイとして生きる〜

「今の世相ではありえないような発言を散々に浴びせられてきた」 ボクは転職前の職場で同僚から「ホモ」と散々に言われてきた。 あの時、ボクのことを「ホモ」と言っていた人たちは「今の世相をどんな気持ちで受け止めているのだろう?」と思う時がある。あ…

ライナーノーツ<19>〜恐るべき子供たち〜

「兄弟の間にある感情をなんと言えばいいのだろう」 この話に出てくる兄弟だけど、ボクは彼らをゲイだとは思ってはいない。 全ての兄弟がそうだとは言えないけど、兄は弟に対して、弟は兄に対して、愛情に近いどこか不思議な感情を抱くことがあってもおかし…

ライナーノーツ<18>〜母親にゲイとバレる日〜

「母親ってどれだけ多くの秘密を抱えて生きているのだろう?」 タイトルの通り『母親にゲイとバレる日』は、母親から「ホモなのか?」と問い詰められた話だ。 ボクは母親からたった一度だけしか問い詰められていない。 いきなりの質問だったので下手な演技で…

ライナーノーツ<17>〜10年ぶりのカミングアウト〜

「ボクにとってあの場所は分岐点だった」 先日、熊本に行った。最後に行ったのは2018年4月1日なので約11カ月ぶりに熊本に行ったことになる。彼と一緒に熊本県内をあちこち回った後、途中から熊本市内に立ち寄った。そんな中、彼から「この店で昼ご飯を食べよ…

ライナーノーツ<16>〜このサイトを始めるにあたって〜

「これから文章を書くにあたって、このサイトの『根っこ』になるような方針を書いておきたい」 そんなことを思いながら『サイトを始めるにあたって』を書いた。 ボクは未来に起こる出来事は、過去の出来事の上に成り立っていると思っています。だから現在を…

ライナーノーツ<15>〜同性愛者の性長記録〜

「この文章を書くきっかけをくれたゲイブロガーがいた」 このサイト上に文章を書き始めて最初の転換期となった章がある。 それが『同性愛者の性長記録』だ。 この章はまだ書き残したことが沢山あるので、いつか追加で文章を書くことになると思う。 この章の…

ライナーノーツ<14>〜住吉奇譚集〜

「ハッテン場を漂っている声にならない思いを文字にしてみたい」 そんなことを考えながら『住吉奇譚集』を書いた。有料ハッテン場で感じた自分の思いを、できるだけそのままの鮮度で文字に落としたかった。それで忘れないうちに急いでメモを取って文章を書い…

ライナーノーツ<13>~同性愛者が存在する確率~

「故郷に帰らなくても、故郷とつながっていると感じる時がある」 『同性愛者が存在する確率』は、大学時代に帰省してゲイ向けの出会い系掲示板に書き込んでみたら、小学校時代の同級生とメールのやり取りをして再会したという話だ。 その同級生は近いうちに…

ライナーノーツ<12>~同性愛者として生きる決意~

「初めて好きになった同性が彼でよかった」 中学時代に同性のN君を好きになってから、恋愛をしなかった大学時代を除いて、高校時代、社会人時代と好きになった同級生や同期に告白しても拒絶されることがなかった。皆友達として以前と変わらずに接してくれた…

ライナーノーツ<11>~同性への憧れと恋愛の境界線~

「二十年近く経つのに忘れられない人がいる」 ボクは高校時代に好きになってしまった二歳年上の彼のことを未だに引きずって生きている。今でもどこか彼に似ている要素がある人を好きになる。何かをする時や、何かを考えたりする時に、「彼ならどうするだろう…

ライナーノーツ<10>~はじめての有料ハッテン場~

「この章のアクセス数が一番多いなんて嫌だな」 この『はじめての有料ハッテン場』の章だけど、どうやら今まで書いてきた文章の中で一番アクセス数が多いようだ。 このサイトの右端に「人気記事」と書かれたアクセス数の多い文章が表示される欄がある。その…

ライナーノーツ<9>~インターネットの同性愛世界~

「ハッテン場について、どこまで踏み込んで書こうかな?」 このサイトではハッテン場について赤裸々に書いているけど、文章を書き始めた段階では、どこまで書くべきなのか迷っていた。文章を書いてインターネット上に公開してしまえば誰でも読むことができる…

ライナーノーツ<8>~同性愛者の友達が欲しい~

「ゲイ向けの出会い系の掲示板を経由して、初めて出会ったゲイ仲間は女装子だった」 大学時代、周囲のノンケの人たちにも「出会い系の掲示板」に書き込みをしている人がいた。もちろんボクの書き込んでいた掲示板とは求める性の対象が違っていた。 ある飲み…

ライナーノーツ<7>~ゲイとしての居場所作り~

「この文章が2018年のボクの行動を引っ張り続けてくれた」 ボクにとって『ゲイとしての居場所作り』は、そんな感じの大切な文章になっている。 2O18年3月から、ぽつぽつと『ゲイとしての居場所作り』の文章を書き続けて、もうすぐちょうど1年間が経つことに…

ライナーノーツ<6>~はじめて会った同性愛仲間~

「初めて会ったゲイ仲間が誰だか覚えてる?」 ボクが初めてゲイ仲間と出会ったのは高校時代だった。 これは他の人よりは少し早いのかもしれない。ボクの場合はちょっと状況が違って、中学時代から同級生に対してカミングアウトしていて周囲に全開状態だった…

ライナーノーツ<5>~大人の同性愛世界の入り口~

「もっと別の道があったんじゃないかと今でも思う時がある」 京都市内は大学の数が多い。ついでに銭湯の数も多い。 そういった状況なので大学近くの銭湯には大学生が多く訪れていた。そんな大学生を目当てにゲイたちも多く訪れていた。京都市内にある銭湯の…

ライナーノーツ<4>~過去との決別~

「いつの時代から書き始めたらいいのだろうか?」 ゲイブログを書き始めるにあたって、そんなことを迷っていた。 ボクの場合は、カミングアウトした中学時代から書くべきなのか? カミングアウトして一番ひどい目にあった高校時代から書くべきなのか? 本格…

ライナーノーツ<3>~遠い場所の君へ~

「こういう文章を書いてみたい」 そんな衝動が起こるのは、他の人が作った文章や音楽や映像などに触れた瞬間が、きっかけになることが多い。 全てをネタバレしないけど、NHKでジブリのドキュメンタリー番組を見ていて『ゲイブログを書く前後』を書きたくなっ…

ライナーノーツ<2>~出逢いたくなかった人~

「人は成長するにつれて自分と似たような人間が周囲に増えてくるのかもしれない」 小学校の頃は、いろんな諸事情を抱えた人が周囲にいた。その背景は様々だけど、まだ子供ということもあって本人よりは育てられた家庭の問題が背景に多かったように思う。とに…

ライナーノーツ<1>

「過去に書いた文章の『あとがき』を書いてみたい」 このサイトに文章を書き始めてから、それなりに文量が溜まった1年半が過ぎたくらいからだろうか、そんなことをぽつぽつと思い始めていた。それでサイトを始めてちょうど2年目を迎えるのを機会に、過去に…