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ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

インターネットの同性愛世界<5>

第9章 インターネットの同性愛世界




「よし・・・勇気を出してハッテン場に行ってみよう!」

数日後、ボクはようやく決意した。大学の講義が終わり友達と別れたボクは原付に乗ってサイトで紹介されていたある公園に向かった。今からボクが向かう場所を友達が知ったらどう思うだろう・・・少し後ろめたさを感じていた。

「でも・・・ハッテン場がどんな場所なのか見てみたい。見るだけなら安全だよな」

まだ時刻は夕方だった。同性愛者が集まるのは深夜遅くなってからだ。夕方であれば同性愛者はいなくて安全だろうと思った。目的の公園に着いたボクは原付を停めて、公園内のハッテン場になっているスポットに向かった。暗記してしまうくらいにサイトを見ていたので場所はすぐに分かった。

まずボクはグランドに向かった。グランド周辺には4つベンチがあった。そのベンチの1つに子連れの母親たちが座って雑談していた。ボクはベンチに腰掛けて携帯をいじっているフリをして周囲を観察した。

「あのサイトには・・・このベンチとあっちのベンチに座って、お互いの好みのタイプか観察するとか書いてたな。お互いの好みが合えばベンチで・・・」

サイトには写真付きで説明がされていて、ボクの座っているベンチの写真もあった。

「夜になるとこのベンチに同性愛者が座ってるのか・・・」

ボクは感慨深げにベンチを眺めていた。しばらくしてボクはグランドから公園内のトイレに移動した。トイレの前にもいくつかベンチがあった。

「確かこのトイレ前のベンチも座って、お互い好みかどうか観察してから、好みが合えば一緒にトイレに行くか、もしくはトイレの裏にある森林に行くって書いてあったな」

ボクは裏の森林に向かった。まだ夕方だったけど森林はとても暗く怖かった。

「これって・・・ハッテン場というよりお化け屋敷に近いよな。怖すぎるだろ!」

こんなに怖い森林の中で深夜に何をするんだろう・・・少し踏み入れただけで怖くなったボクは急いでトイレ前のベンチに戻った。

1時間近く歩き回って空は暗く夜になりそうだった。ボクはトイレ前のベンチに座って周囲を見渡し考えていた。考え事をしていると隣のベンチに1人のサラリーマンが座った。

「もしかして同性愛者の仲間か・・・まだ深夜になるには時間が早すぎるよ」

ボクはドキドキしながら隣に座った男性を見た。その男性はため息をつきながらカバンからコンビニ弁当を出して凄い勢いで食べ始めた。安心したボクの目の前を学校帰りの高校生達が自転車を押しながら通り過ぎて行く。あまりに日常的な光景だった。

「本当にここがハッテン場なのだろうか?夜になると状況が変わるとも思えないけど?」

サイトに書かれていたことを少し疑い始めていた。ボクはまだ本気でハッテン場に踏み入れるつもりがなかったので、気になりつつも夜になる前に家に帰ることにした。

<つづく>