ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

同性愛者の友達が欲しい<4>

 ボクは公園に向かいながら考えていた。

「本当にこんなに簡単に会ってしまって良いのかな?もう少しお互いの価値観とかの確認をしてからでもよかったのでは・・・」

 大人になって経験を積んだ今なら、もう少しメールのやり取りをしてから会うくらいの慎重さは持っているが、同性愛者同士でメールのやりとりをすること自体がはじめてだったボクは素直に相手の言う通りに従っていた。ついさっきまで掲示板に書き込こみが終わって寝ようかと思っていたのに、20分もしないうちにメールの相手に会うために公園に向かっている急な状況の変化に戸惑っていた。

 待ち合わせの場所に着いたのは、22時45分くらいだった。ボクは原付を停めてすぐに相手にメールを送った。

こちらは公園に着きました

 すぐにメールの相手から返信が来た。

早いねもう着いたの。こっちも15分くらいで着く
わかりました。公園の入り口で待ってます。

 メールを返信し終えて時間ができたのでボクはハッテン場になっている公園に入って、スポットになっているトイレ前のベンチの辺りまで歩いた。トイレ前のベンチには誰もいなかった。

「まだ少し早いもんな」

 ボクはメールの相手が先にこのハッテン場にいて、他の人と肉体的な接触をしているのではないかと疑っていた。ハッテンする相手を呼び寄せるために、ボクをこの公園に案内したのではないかと思っていた。誰もいないことを確認してから、公園の入り口まで戻ってメールの相手が到着するのを待つことにした。

「どんな人が来るんだろう・・・」

 公園前で待っていると、夜中なのにランニングをしている人や犬の散歩をしている人が目についた。

「この人かな?それともあの人かな?」

 ボクは目の前を人が通り過ぎるたびに、メールの相手が来たのかと思って注意して見ていた。そんな中、携帯の着信音が鳴りボクは急いでメールの確認をした。

もうすぐ着きます

 メールの文面を見てボクの緊張は極限にまで高まっていた。

「とうとう・・・同性愛者の仲間と話すことができる。また一歩踏み出してしまった」

 怖くなって帰りたくなっていた。今からその人にメールをして会えなくなったと謝罪しようかとも考えた。

「でも・・・ここまで来てしまったんだ。もうどうにでもなれ!」

 メールの相手が近くまで来ている現実があり開き直ることにした。どこから現れるのか見当がつかなかったので、ボクは何度も周囲を見渡していた。少し先の離れた場所の横断歩道に立ち止まって信号が変わるのを待っている人がいることに気づいた。その人は横断歩道を渡ると、公園沿いの歩道を歩いて携帯電話を片手にこちらの方に近づいて来た。

「もしかしてあの人かな?」

 ボクは歩いてくる人の様子を伺った。近づいて来るにしたがって少し変わったところがあることに気づいた。

「あの人は・・・男の人?それとも女の人?」

 骨格は明らかに男なのだが、服装や髪型は明らかに女性だった。その人はボクを見つけると笑顔で声をかけて来た。

「君がメールしてた子だよね?」

<つづく>