ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

同性愛者としての初体験<9>

「じゃあ神原さんの家でしようか?」

 その言葉をきっかけにボクらは店を出ることにした。店を出てからタクシー捕まえて、ボクはタクシー運転手に行き先を告げた。運転手がいる手前、ボクらは同性愛に関する話題を避けて会話していた。友達のように話してるボクらが、同性愛者で今から肉体関係を結ぶことになるなんて、この運転手も夢にも思わないんだろうなと思いながら話していた。

 ボクはヒロト君と会話を続けながら、なぜだか頭の中には親の顔が浮かんでいた。今まで育ててくれた親に申し訳ないような気がしていた。親がボクのしようとすることを知ったらどんな気持ちになるだろうと思うとなんだか泣きたくなってきた。でも同性愛者である以上、いつかは同性愛者同士で肉体関係を結ぶことになるだろうし、それなら全く知らない人より、高校時代の同級生の方がマシだと、自分に言い訳をしていた。ずっとこんな罪悪感を抱きながら男の人と肉体関係を結んでいかなければいかなくなるような気もしていた。ボクの家に近づくにつれ、はじめて肉体関係を持つことへの恐怖心も湧いてきた。「この一回目は怖いけど何度か経験すれば慣れる」と自分に言い聞かせていた。ヒロト君も緊張しているのか言葉が少なくなってきた。タクシーがボクの家の前に着き、ボクはヒロト君を部屋に招き入れた。

「お邪魔します」

 と言ってヒロト君はボクの部屋に入ってきた。大学生の一人暮らし用の六畳一間の賃貸アパートだ。二人になると窮屈に感じた。

「すごい片付いてるね」

 ボクは必要以上に物を持つのが嫌いだ。今でこそミニマリストなんて言葉が流行ってるけど、それに近いレベルにまで部屋を片付けいた。ボクはお湯を沸かしてコーヒーを入れていた。その間にヒロト君はボクの部屋の物色をしていた。いきなり布団をひいて部屋を暗くして肉体関係を結ぶのもなんだし、なんの会話をしようかと考えていた。

<つづく>