ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。現在は隠れゲイ@福岡。過去の思い出や現在のことを綴っていきます。

職場でのLGBT配慮について

「そろそろあいつもゲイって打ち明けてくれないかな」

 ボクのことを言われたのかと思って「ドキッ」とした。その日、ボクの部署の上司(Uさん)と他部署の上司(Yさん)との三人で飲みに来ていた。冒頭の発言は他部署の上司のYさんである。

「あぁ・・・K君のことでしょ?」

ボクの上司であるUさんが名前を出した。

「そうなんだよ。同年代の同僚にはゲイだって認めてるらしいだけど、上司の俺には打ち明けてくれないから配慮もできない」

 その場の席ではボクが一番下っ端だった。ボクは焼酎の水割りを作る係に専念することにして話の成り行きを見守ることにした。

「同僚には男性用のトイレや更衣室を使用するが嫌だって文句を言ってるみたいでさ、あいつも俺との面談でゲイだから配慮してくださいって相談してくれれば、こちらも打つ手があるんだけど」

 さっきから話に出ているK君はボクの会社の他部署にいる社員である。入社して数ヶ月経ったある日、ボクはK君を職場ではじめて見かけた。

「○○君、髪を切ったんだ可愛いね」

 そう同僚の男性社員に言っていた。喋り方や仕草は女性的で、一目見ただけで、K君がゲイだと判別できた。

 YさんとUさんの会話は続いていた。

「同僚の女性の反応はどうなんですか?」

「うちは職種がらLGBTには理解があるから、K君が女性用の更衣室やトイレを使っても気にしないらしいよ」

「なるほどね」

「相談さえしてくれれば、こちらも動けるんだけど、俺に対して直接相談してくれないから動けないんだよ。そうは言ってもK君が打ち明けてくれてないのに、こちらから指摘して動くこともできないよ」

「まぁ・・・相談はしにくいよね」

 K君がゲイなのは職場の全ての同僚が知っていた。それに対してボクはゲイであることを隠して生きていた。まさか一緒に話を聞いている人間もゲイとは思ってないんだろうと二人の話を聞いていた。その後も二人はK君の扱いについて真剣に討論をしていた。ボクは自分の職場がLGBTに対する配慮をきちんとしてくれることに感心して聞いていた。でもボクは同僚にカミングアウトすることはないだろう。

 数ヶ月後、ボクは上司のUさんとの面談をしていた。面談も終盤にさしかかった頃、なぜかボクの結婚について話題が及んだ。

「神原も早く結婚しないとホモって間違われるぞ。俺も三十歳中盤で結婚したけど、周りからホモじゃないか?って言われて嫌だったよ。だから早く結婚しろよ」

「はぁ・・・でも相手がいないですし、ボクは一人でなんでもできるので・・・」

 ボクは苦笑いをしながら答えた。「ホモって間違われるも何も本気でホモなんだけど」「そりゃホモでもないのに、間違えられたら嫌だろうな」と心の中で思っていた。上司のUさんは善意で忠告してくれているのが分かっているので、嫌な気分はしなかった。ただ少し面白かった。

 管理職の皆様。

 職場でLGBTについて話す際、意外と彼らは身近にいる可能性があります。気おつけてください。