ゲイ目線で小説『悪人』を読んでみた

前職のノンケ友人(村上)との会話でカミングアウト済み関係です

神原:本当に今更なんだけど、吉田修一の『悪人』って小説を読んだよ。

村上:その本ってだいぶん前に流行ってなかったけ? 映画化もされた気がするけど。

神原:二〇〇七年に出版されてるから、ほぼ十年前になるね。

村上:それで今更その本を読んでどうしたの?

神原:地元の福岡と佐賀と長崎が小説の舞台なんだけど、実際に行ったこともある場所がいくつか出て来て、いや〜この作者はちゃんと取材してるなって感心したよ (´ ∀`)

村上:そりゃ小説家だからちゃんと取材はしてるよね。

神原:特にびっくりしたのが、とある登場人物が、実在する福岡市内の●公園の公衆トイレで小便をするくだりがあるんだけど、小便をしてる時に個室から男性が出て来て嫌な目つきで見られるって箇所はリアルだったよ。

村上:特に君の好きそうな描写だな(ノ∀`)

神原:小説の中で出て来る公園って、ゲイ同士の出会い系の掲示板で、よく待ち合わせ場所にされてるんだ。「公園の公衆トイレでやりませんか?」とか本当に書いてることがある。

村上:ほほう……君も行ったことがあるの?

神原:ボクはその公園に行ったことがないよ。恐らく作者は、その公園がゲイ同士の出会いのスポットになってることを、きちんと調べた上で書いてるんだろうなって思ったよ。

村上:ノンケの人が読んでも、作者の空想で書いてると思うだけで、そこまで理解できないだろうね。

神原:出会い系の掲示板を見てる限りだけど、その公園って過去にゲイ狩りとかもあったことがあるみたいで、そこそこノンケの間でも有名ではあると思うけど、きちんと調べたんだろうな。

村上:ゲイ狩りか、リスクの高い世界だね (((((( ;゚Д゚)))))

神原:ボク自身は公衆トイレで変なことをする気なんか毛頭ないけど、大学時代に興味があって社会見学みたいな感覚で野外のハッテン場を見学して回ったんだ。ある公園の公衆トイレの入り口に『全裸の人』がいた時は爆笑してしまったよ。「お前らやりすぎ!」って注意しそうになったよ。あまりに驚きすぎると逆に笑ってしまうよ ヽ(*゚∀゚)ノ

村上:全裸……想像を絶する世界だね。『悪人』って小説の中では、嫌な目つきで見られて終わったけど、いきなり個室の中から全裸の男性が出て来たら、小説のストーリーが破綻してしまったろうね。読者も何が始まったんだ?って置いてけぼりになりそう  ( ̄ω ̄;)