ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています。毎日更新中@福岡

同性とのファーストキス<5>

「なんで女装は止めた方がいいの?」

 みんなA君の言葉が理解できなくて、不思議がっていた。ボクはA君から「神原が傷ついてるだろ。気持ちを考えて止めてやれよ」とか「神原だって好きで同性愛者になったんじゃないんだ」とか格調が高くて友情溢れる泣けるような言葉を期待していた。

「よく考えてみろよ。神原は男の格好の方が気持ち悪いんだよ」
「男の格好の方が気持ち悪い?」

 どうやら期待は裏切られたようだ。

「つまり男の格好で男を好きになるから気持ち悪いんだよ。むしろ中途半端に女の格好をすると気持ち悪さが半減するんだよ」
「なるほどね」
「確かに女装している人が男を好きってシュチエーションよりも、男の格好のまま男が好きって気持ちが悪いかも」

 次々とA君の意見に賛同が集まった。

「だから下手に女装させるより。神原は男の格好のままのホモキャラって設定でストーリーを考えようぜ」

 ボクも一瞬はA君の意見に納得しかけたが、随分と酷いことを言われていることに気がついた。つまりボクは素のままでも気持ち悪いということかな……あまり深く考えると傷つきそうなので、それ以上は思考停止することにした。

「じゃあ……神原は男の格好ままで、次々と男が舞台に出て来て神原を口説くか、それか神原に口説かれるっていうのはどうかな?」
「それがいいね!」
「それなら俺らの方が女装とかしたら面白いよね?」
「それいいな。前から女装とかしてみたかったんだ」

 次々と女装の願望者が現れた。

「俺はセーラー服を着たいな」
「えぇ! 俺もセーラー服着たかったのにかぶちゃ面白くないよな」
「俺は看護師の格好しようかな」

 こんなにも女装願望を持っている人がいるなんて思わなかった。あくまで劇の芝居ということを名目を利用して、ついでに自分の女装願望を叶えたいようだ。メンバーの中には女装を嫌がってる人もいたけど、仕方がないねという顔をしながら若干嬉しそうに折れていた。むしろホモ扱いされているボクの方が女装に対して拒絶感が強かったのが意外だった。

<つづく>