同性愛コンテンツに触れる勇気

 このサイトで、最近になってからコンテンツのレビューを開始した。同性愛に関する本や映画などを見て感想を書いている。

 このレビュー記事がなかなか苦しい。
 
 いや……正確には、レビュー記事を書くのはいいのだけれど、そもそものコンテンツを鑑賞するのが苦しいのだ。

 以前から、なるべく同性愛に関するコンテンツは見ないようにしてきた。それには理由があって、やっぱり自分のことと照らし合わせながら見てしまうからだ。それが嫌で逃げて来た。

 今もカミングアウトを題材にした映画を見ているのだけれど、数分ごとに停止して、テレビの前から離れて、皿を洗ったり、洗濯をしたりしている。話がなかなか先に進まない。本を読んでいる時も同じだった。もともと歴史関連の書籍を読むのが好きで(最近は日露戦争を題材にした本ばかり読んでいた)、同性愛を扱った小説を読み始めたのに、なぜか胸が熱くなってしまって、いつのまにか歴史本を手にとって読んで気を紛らせたりしていた。そして期間を置いて、熱が冷めた頃を見計らって読むのを再開していた。何度同じことを繰り返しただろう。馬鹿みたいだ。

 ボクには本や映画の中に出てくる同性愛者の考えや行動が、どうしても自分のことと重なって考えて過ぎてしまう。

 例えば、映画の中で同性愛者を演じる役者が、好きな男性をこっそりと見つめるシーンがある。その姿を見ていると、まるで自分の姿を見ているような気持ちになって、気持ちがざわついて落ち着かなくなる。ただ……それだけの仕草なのに、ボクはいてもたってもいられなくなる。こんな状態で、話が進むわけがない。

 自分が同性愛者であることを嫌でも再認識させられてしまう。

 でも……逃げないで向き合って行こうと思う。今年はこのサイト開始した。まずは一歩前進できたと思う。

 今年の下期の目標は決まった。同性愛関連のコンテンツに真剣に向き合って、もっと深く同性愛について知って、深く考えて行こうと思う。この苦しさは、今まで同性愛について向き合わないで、楽な方に逃げて来た自分への罰だ。