ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

LGBTシンポジウム参加レポ<12>

ーーーディスカッションの続き

→五十嵐氏

 ありがとうございます。私も印象に残っていることがあります。今でこそジャケットを着て「シュッ」とした格好で皆さんの前に立っていますが、若い頃はクラブイベントの主催をやっていました。30歳から10年間くらいクラブを借りきって女性限定で「お友達を作ろう」、「出会いを作ろう」と主催およびDJをやってきました。そのイベントに遊びに来た世代の仲間たちは、一緒に年を取っていきます。私は44歳ですが、当時一緒に遊んでいた仲間たちも、今は30代後半から40代前半になっています。体力的にも夜通し遊ぶのが難しくなってきましたが、今は若い世代が引き継いでクラブイベントをやってくれています。そして、そういったイベントに遊びに来ている若い子たちがパレードに遊びに来てくれています。

 何を言いたいかというと、自分たちが安心できる場所が、かつては限定された空間だけで、「絶対にここには当事者しかいない空間」。「自分たちのことを知っている人しかいない空間」。そこでしか自分のことをオープンして飲んで楽しむことができなかったです。もちろん今でも全ての人がパレードに行っているとは申しません。ただ凄く嬉しかったのは、そういったクラブでしか見かけなかったレズビアンの仲間たちが、パレードの会場に来ていました。私はそのことを密かに嬉しいと思っていました。そういった安心できる場所は、少しづつですが増えていってると、皆さんの話を聴きながら感じていました。

 少し話を変えていきたいのですが、先ほど永田さんから他の方の話を聴いた感想をお伝えいただきました。そこで永田さんの話を聴いて、何か発見や感想があればお尋ねしたいのですが?

→石田氏

 永田さんの話で出たきた「ダイバーシティ」や「インクルージョン」という言葉が印象に残ってます。この問題に関わるようになり、LGBTについて勉強する中で「これは多様性の問題であって、社会にはいろんな人がいることを普通に受け入れてみんなで生活していく、その問題の一つに過ぎないんだな」と思っていました。そして「やっぱり多様性が大事だよ」と言ってたんですが、「多様性」、「ダンバーシティ」で止まってはダメなんだなと思いました。次からは「インクルージョが大事だよ」と言っていこうかなと思っております。今日は大変いい視点を頂いたと思います。

→松本氏

「正しい知識を理解する」って大事だなと思いました。我々の企業では「LGBTを特別視しないでいこう」としか考えてこなかったんですが、こういった場で、我々も新たなことを学べますので、これからの取り組みについて非常に参考になりました。やはり「正しく理解する」、「正しく知る」ということは、我々企業としては必要なんだなと感じました。

→五十嵐氏

 いろんな企業にLGBTに関して取り組んでいただく時に、「積極的にやろう!」「LGBTを窓口を作りました!」とか「LGBT専用コーナーです!」とか、私たちは……特に私は決して、そういったことを望んでいる訳ではないです。松本さんが「LGBTを特別視しないでいこう」とおっしゃいましたが、「当たり前にいるんだ」という意識をいかに持っていただくかということが、非常に大きなポイントかと思います。今まで見えてこなかったので、特に気にすることもなかったのに、急に注目を集めて「なんだか間違った方向にいかないんだろうか?」と不安に思うところもありました。三浦さんはいかがですか?

→三浦氏
 
 私自身はパレードをやっている関係で企業と協賛金に関する接触が、すごく多いです。企業と「課題」について話しをする時に、「障害を持っている方に対する課題」とか、「海外から来ている方に対する課題」とか、いろんな課題がある中で、LGBTについても個別の課題として捕らわれる方が多いです。そこではなくて、インクルーシブ(包括的)なところで「障害を持ってらっしゃる方々」にも、「海外から来ている方々」にも、当然にLGBTの当事者はいます。そういった話をするんですが、なかなか話が噛み合わないです。今日、永田さんの話を聴いていて、わかりやすく整理されて自分の中に入ってきたので、真似しなくてはならないと思っています。

→五十嵐氏

 少し参考データをご紹介します。学術研究者による調査なのですが、日本人の性的マイノリティに対する意識調査が行われて、2015年に発表されています。「社会にあるいは自分が住んでいる地域に、外国人が多くなること、あるいは障害を持つ方が多くなること」。これに対して「嫌だ」と思っている方は、「同性婚に対しても反対」の方が多いんですね。非常にリンクしてることが、興味深いと思っています。逆に「外国人の方々」あるいは「障害を持つ方々」が「いても当たり前だ」と思っている地域は、当然に「LGBTに対しても寛容度が高まるんじゃないか?」と感じたりもしています。特に渋谷はいろんな方が集まる街だと思います。

<つづく>