ゲイ集う成人映画館の手記<9>

 えっ? そんな妄想したことない? 

 そういえば、つい最近のことだけど「自分の妄想力が異常なのか?」と心配になる出来事があった。ボクはある人たちとtwitter上で以下のようなやりとりをしていた。 

 気になる人(かっこいい人)が全員ホモにみえるものだから、その人が結婚指輪をしてると、あ~違うんだとと思う。

 そう書いている人がいた。ボクは以下のように書いた。

結婚指輪してるくらいで諦めるんですか? 僕は気になる人が結婚指輪してても、実は結婚してなくて周囲から独身と思われるのが嫌でしてるとか、ファッションでしてるとか、あらゆる可能性を模索じゃなくて妄想します。これガチでやってます(笑) 

 さらに続けて、

職場のパソコンで「結婚指輪 結婚してなくてもする人」とか検索したなんて死んでも言えません。これもガチでやってます(笑) と書いた。

 これは実体験だ。

 何となくやりとりをしていた相手の人たちがヒイているのが分かった。自分の妄想力が危険領域に入っているのではないかと不安になってくる。「みんな書かないだけで同じようなこと思ってるよね?」と不安になってくる。

 そんな旺盛の妄想力のおかげで、成人映画館での体験談を読むだけで更に性欲が高まっていく。 

 あぁ……やっぱり成人映画館に行ってみたい…

 パソコンの前で性欲との戦い続く。

 野外のハッテン場で全裸の人を見て、ドン引きしたくせに、成人映画館に行ってしまうなんて人の文句を言う権利はないよね。
 
 そんなことも頭の中を過ぎった。

 でもやっぱり複数の人から責められる妄想をしていると興奮してしまう。

 こんなことを書いていると「M」だと思われるけど、ボクは「S」と「M」の中間の「リバ」だ。相手によって「S」になったり「M」になったりする。

 ゲイブログを書いているTakato(もはや呼び捨て扱い)に対しては「S」だ。LINE上でTakatoの投稿を見かけるだけで、胸がイライラしてくる。

 それに引き換え、LINE上でたぬ吉さんの投稿の見かけるだけで、胸がキュンとしてしまう。

 こんな成人映画館での「性欲の話」の途中に、「たぬ吉さん」の名前を出して申し訳ないが、ボクは「たぬ吉さんのゲイブログが一番好き」だ。

 そもそもたぬ吉さんのブログは、ゲイブログというカテゴリーでもない気がしている。たぬ吉さんがブログを更新するのを、今か今かと心待ちしている。たぬ吉さんのブログの存在に気がついたのは、つい2ヶ月位前のことだ。それまで見落としていた。

 あっ……この人が書く文章は面白い。

 少し読んだだけで、たぬ吉さんが書く文章に惹かれてしまった。どんなことに惹かれているのかは内緒だけど、いつか書くかもしれない。

 ボクの中で、たぬ吉さんの書いた文章を読むにあたって心がけがある。

 まずは、たぬ吉さんが書いた文章をざっと目を通す。

 そして二度目は、じっくりと噛みしめるように読む。

 そして三度目は、情景を思い浮かべながら噛みしめるように読む。

 そして数時間後に、自分がたぬ吉さんになったつもりで読む。

 さらに翌日に読む。

 さらに数日後に読む。

 新しく記事が追加されたら、前回の記事も振り返って読む。

 まとめると、たぬ吉さんが書いた同じ文章をストーカーのごとく5回以上は読んでいる。それくらいたぬ吉さんに夢中になっている。それに引き換えて、Takatoの惚気たゲイブログなんて一回読めば十分だ。いや一回も読まなくてもいいだろう(この扱いの差は酷い……)。

 ボクはたぬ吉さんが「聞き屋」をやっている日に、いつか内緒で東京に行って話をしてみたい。ボクの正体を隠したまま、普段のたぬ吉さんがどんな人なのか見てみたいと思っている。

 それにしても……イクべきか、イカぬべきか……それが問題だ。

 おっと。字が違った。

 それにしても……行くべきか、行かぬべきか……それが問題だ。

 たぬ吉さんに会いに東京に行くのか悩んでいる訳ではない。

 そうだ……ボクは成人映画館に行くべきか悩んでいるのだ。

 ちょっとシェイクスピア的な書き方をしてみたけど、成人映画館にいくか迷っているなんて冒涜に近い表現だ。

 ボクの中で「道徳」と「背徳」が争っていた。

 あぁ……やっぱり成人映画館に行ってみよう! 数時間の戦いの末「背徳」が勝ってしまった。そして冬眠中の熊が食欲に負けて洞穴から飛び出していくかのように、ボクは性欲に負けて、極寒の京都市内の街に向かって飛び出した。

 散々、話がそれているけど、そろそろ成人映画館の話をメインに書いていきます。

<つづく>

Takatoさん。予告通りに失礼なことを書いて申し訳ありません。Takatoを時々ですがボコボコにしたくなります(笑)。でも猫を抱いている写真は可愛かったです。

たぬ吉さん。予告もなく失礼なことを書いて申し訳ありません。たぬ吉さんの文章が好きです。たぬ吉さんが書いた文章を、もっと他の人にも読んでもらいたくて書きました。