この文章だけど、博多駅から東京行きの新幹線に乗って書いている。
この時期に東京行きの新幹線に乗っていると聞けば、大体のゲイの方には、どこに向かっているのか想像はつくと思う。職場の同僚には、「なんでこの時期に東京に行くの?」と不思議がられたけれど、
ちょっと「東京レインボープライド」に行ってくる。
そんな本当のことなんて言えるはずがない。
適当に「行きたい店がある」と誤魔化した。さらに「東京のどこに行くんですか?」と質問された。「新宿だけど」と答えた。「新宿のどういった店に行くんですか?」と質問された。
意外と同僚からの追及はしつこかった。
さて……どう答えたものか……
ボクはとっさに頭に浮かんだ言葉を笑いながら発した。
「いや〜新宿2丁目のゲイバーでも行こうと思ってさ」
すぐに冷静に返ったけど、これは自爆もいいところだ。 でも冗談ぽい感じで笑っていれば逃げきれるだろう。ボクは終始笑顔でいた。
「そうなんですね。頑張ってくださいね」
「ほっ……よかった。冗談に取ってくれた」と安堵した。その発言のインパクトのおかげで、同僚からの追及は止まった。
ボクの作戦は大成功?だった。
そんな危ない橋を渡りながら、なんとか 東京までやってきた。
そもそも去年の年末ぐらいから、この計画を立てていた。きっかけはヤシュウさんの記事を読んだから。
これからどうやって行動していこうかな?
そう考えてた時に、かなり前に読んだヤシュウさんの記事を思い出して読み返してみた。そして「ボクもヤシュウさんが立った場所に行ってみたい」と思った。
本当にただそれだけの理由だ。別に東京に行ってみたところで、何をしたいとか目的もない。特に誰かと会う約束もしていない。ボクは東京にいた頃、仕事ばかりしていた。だから東京のゲイ業界は全く知らない。ただヤシュウさんと同じ所に立って、東京のゲイ業界の空気を吸ってみたかった。
ここ最近、ずっといろいろなイベントに行ってみた。LGBTのシンポジウムに行ってみた。熊本のパレードにも行ってみた。はかたどんたくのレインボーパレードに行ってみた。他にも文章に書いてないけど、いくつかの場所に行っている。
いろいろな所に行ってみたおかげで、これから何をしたらいいのかボクの中で答えは既に出ている。
ただ最終地点として、ヤシュウさんが立った同じ場所に行ってみようと思う。