ゲイとして生きる君へ

中学時代に同性愛に目覚めカミングアウトしてました。過去や現在のことを綴っています@福岡

恐るべき子どもたち<5>

幼稚園時代。近所にS君という男の子がいた。

両親。祖父母。そして子供が4人いるという大所帯だった。ただ一つ家族構成で特徴的だった点がある。

4人も子供がいる中「男の子はS君だけ」だったのだ。

残り3人は女の子だった。

ボクらは家も近かったこともあって、お互いの家を行き来しながらファミコンを噛り付きでやっていた。ドラクエだったり。ボンバーマンだったり。ワープマンだったり。ツインビーだったりと、名前を聞くと懐かしくなるような、ありきたりのゲームソフトを飽きもせずに毎日やっていた。

そんなある冬の日のことだった。

S君はボクの家の来てテレビゲームをしていた。寒い日だったからストーブをつけて、さらにコタツに入ってゲームをしていた。しばらくして、ボクらは切りがいいタイミングでゲームをする止めた。そろそろS君が夕飯に帰ってもいい時間で、ボクらは二人で何かを話している時だった。

いきなりS君はコタツの中に潜っていった。

彼は何をやり始めたんだろう?

そう思って待っていると、コタツの中をかいくぐって来て、ボクの入っている側に移動して来た。そして布団をはねのけて顔を出してきた。ボクは別に驚きもしないで適当に流そうとした。

ただ、この時のS君は、いつもとテンションが違っていた。何か意味もなくはしゃいでいた。

ボクの目の前に顔を出して、そのまま抱きついてきた。

彼は何してるんだろう?

妙にはしゃいでいる彼を他所にして、ボクの方は冷静だった。急に甘えてくるなんて、どうしたんだろうと思った。

彼はボクに抱きついてから後ろを向いた。そのまま凭れかかって、ずるずると体を下ろしていった。

そのままボクの膝枕の位置まで体を下ろして、コタツの中から顔だけ出した状態のまま頭を載せてきた。

こう書くと割と普通に思えるんだけど、この時、ボクは非常に混乱する事態に直面していた。

彼は膝枕の位置まで頭を下ろしてきたのはいいんだけど、その頭を下ろした位置が、ボクの股間がある場所だったのだ。

彼の頭の重みが、もろに未成長の股間を押しつぶしていたのだ。

しかも恐ろしいことに、彼は甘えるように後頭部を股間に押し付けて戯れあってきた。さらに頭を横にしたりして回転させて押し付けて戯れあってきた。そのままボクの股間に顔面を押し付けたまま体を停止させたりもした。

訳のわからない奇声を発しながら戯れてくる、彼の存在にボクはただ圧倒されていた。

何だろう……よく分からないけどドキドキする。

まだ幼稚園時代で、性の目覚めもしていなかった。でも何となく胸がドキドキしたのを覚えている。そのままS君は、ボクの膝枕……ならぬ股間枕の上で頭の動きを止めてしまった。そして身動きをしなくなって、微かに寝息のような音が聞こえてきた。

外を見ると夕暮れになっていた。テレビもつけておらず、電灯もつけていなかった。薄暗い部屋の中で、股間枕で寝ている彼の寝顔を見ながら、途方にくれていた。

ただ股間に感じる、彼の頭の重みと暖かさに何となくドキドキさせられて、すぐに声をかけることができなかった。

それから5分くらい経って、彼の体を揺すって声をかけて起こった。彼は何事もなかったかのように、眠そうな顔をして起きて家に帰っていった。

さっき起こったことや感じたことは、親には絶対に言ってはいけない。

いつものように夕飯を食べながら、ボクは幼いながらも直感で判断して黙っていた。

<つづく>